クラッシュバンディクー トレインレーサーズ 1st STEAGE


ふぇにーちぇさん作

第4話

東京駅 山手線ホーム PM5時30分

いよいよ大会当日。東京駅の山手線のホームには、もう人があふれかえっていた。

クラッシュ「すごい人だかりだなー」
ココ「ちがうわ。これはただの通勤客よ。大会は午前1時からだわ。」
クラッシュ「何でそんな遅い時間にやるの?」
アクアク「こういう客を運ぶ時間にやると、電車を止めなくてはならなくなるから、その分利益が減ってしまうからじゃと。」

荒稼ぎですねー。レンタル料を取りながら、いつもどおり客からお金を取るなんて。

午前1時。終電も終わり、残ったのは大会にエントリーする人と、飲み会かなんかの後で、酔っ払ってゲロ吐いてるオヤジだけとなった。

?「はいはい〜。皆さん注目〜。今大会の司会のふぇにーちぇだよ〜。こんびゅんば〜。さっさと終わらせたいんで、ルール説明をしまーす。まず今夜は予選でーす。題して、山手線3時間耐久レース〜。ということで、やっぱ説明するの面倒くさいからあれ持ってきて。」

係員が何人かでルールが書かれた大きなボードを持ってきた。

『山手線3時間耐久レース』

山手線を3時間ぶっ続けで走れ!

エントリーナンバー順に30秒間隔でスタートし、完走したものが本戦へ進めます。

勝利条件:3時間何事もなく走りきる。
     前の列車に追突する。
敗北条件:車両のトラブルで走行不能になる。
     後ろの列車に追突される。

敗北したものは最寄の分岐点(ポイント)で、山手線以外の路線に飛ばされます。
前の列車に追突することに成功した場合も、同様になります。その場合は、3時間走らなくても勝利扱いとなります。

ふぇにーちぇ「まあそういうことで、今日はエントリーナンバー1番から、36番までこのレースに参加してもらいます。残りの37番から72番までの方は明日でーす。はい、1番の方ー。さっさと終わらせて寝たいから、早く列車動かしてー。」

1番の列車がスタートした。30秒きっちり開いて2番、3番と続いていく。クラッシュは36番。今日の最後のスタートだ。ココは37番なので、予選では当たらない。ちなみに分かってるかもしれないけど、36番のクラッシュは今のところ1番の列車につかまるとアウトだ。もし1番が敗北したら、2番に追いつかれてもアウトになる。

ふぇにーちぇ「はい次35番さーん、準備してー。」

いよいよクラッシュの番だ。どうやら1番の列車はまだは半周しかしていないという。これはいいポジションだ。

ふぇにーちぇ「はーい。今日最後の走者、36番の方ー。準備してー。」

クラッシュは103系の運転席に座った。パンタグラフを上げて、カウントを待つ。

ふぇにーちぇ「あい、5秒前ー、4,3,2,1、GO!」

クラッシュの暇つぶしのレースが今始まる。


用語解説
分岐点:要するに電車版の分かれ道。これを使って車庫に行ったり、別のホームに行ったりする。

パンタグラフ:電車の屋根についている部品。菱形の形をしたあれ。電気を取り込んだりするのに使う。最近は菱形じゃなく、1本足の『シングルアーム』というタイプに変わっている。見ようと思えばホームからでも見える。

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