クラッシュバンディクー トレインレーサーズ 1st STEAGE


ふぇにーちぇさん作

第5話

クラッシュは103系を加速させた。加速は思ったより早く、あっという間に80キロを超えた。車体が重いので、きついコーナーでも遠心力に負けることなくぐいぐい曲がってくれる。東京を出発し、有楽町、新橋を通過、新橋駅では、少し急なS字コーナーで、列車をホームで支えながらクリアした。その時速140キロ。この業界にいるものから見ても、明らかなオーバースピードだ。

実況「おおー!36番の103系、この中で走っているものの中ではかなり早い!ドリフトなしでタイトなコーナーをクリアした!すげぇ!」
解説「いくら車重が思いとはいえ、あんな強引な走らせ方は見たことがない。」

 新橋駅
駅のホームのギャラリーの中に、今大会の優勝候補の一人がいた。

?(今のやつ、前半の難関とも言えるここをあっさりとクリアした。今日走っている中では1番まともそうなやつだな。だが荒い・・・。あんな走り方では俺にすら勝てないな。報告する価値はない。)

男はもう今日の大会が終わったかのように駅を出て行った。

クラッシュは1度も減速することなく、強引な走りを見せ付けていた。そして、クラッシュの目に1両の列車が見えた。間違いない。35番の列車だ。

クラッシュ「よーし、行っけぇ〜!」

35番「ひいぃぃぃぃいぃぃぃ!」

35番の鉄ヲタは、バックミラーに映ったクラッシュの103系を見て、驚いた。そして、白目をむいて列車を必死に加速させる。しかしときすでに遅し。鉄ヲタの方は車両の故障などのトラブルを避ける走りを見せていた。しかしクラッシュの方は、何も考えず、とにかくがむしゃらに攻め続ける走りをしていた。対照的な両者の走りで実力がほぼ同じであれば、速いほうは一目瞭然。鉄ヲタ。オタクの意地がここに散る・・・。

ふぇにーちぇ<はーい、無線で各車両に連絡してまーす。ふぇにーちぇでーす。ちょっとここで重大発表でーす。35番の方、後続の列車に追突されて失格でーす。36番の方、前方の列車への追突に成功したため、ここで本戦への出場が決定しましたー。お二方は速度を落として次の品川駅で止まってくださーい。>

クラッシュは言われたとおり品川で止まった。クラッシュはこの大会で、予選クリアタイム2位を刻んだ。

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