クラッシュバンディクー トレインレーサーズ 1st STEAGE
ふぇにーちぇさん作
第9話
クラッシュは塚口がスタートしたちょうど10秒後にスタートした。最初は制限速度55キロの右コーナー。スタート地点のすぐそばにあるので、ノーブレーキでクリアできる。その後はかなり長いストレート。次の駅の北大曲まで続く。ストレートなので、相手が良く見える。距離にしておよそ400メートルだろうか。やはり新しい車両は性能が良い。ゆるい左コーナーをここもまたノーブレーキでクリア。そして長いストレート。
次の羽後四ツ屋駅まで時速150キロでクラッシュは103系を走らせる。羽後四ツ屋駅には分岐点がある。昨日ビデオを見た限りでは右に進路をとるほうが速いのだが、ここは前の車両の様子を見てブレーキを掛けるかどうか決めることにした。
クラッシュ「さあ、どっちに進むんだ〜!」
前の209系は右に進んだ。となれば、大会スタッフがひねくれて進路を変えさせない限りは、そのままブレーキなしでクリアできるってことだ。嫌というほど長く続くストレート。鑓見内(やりみなり)駅を通過し、クラッシュは、この列車の加速性能の弱さを思い知る。遂に前方を走っている塚口の209をストレートで見失ってしまったのである。左のやや緩めのコーナー、そして同じくらいのキツさの右コーナーをクリア。
スタートからここまで4キロくらい進み、一度もブレーキを掛けていないのに、一向に相手の車両が見えない。そのまま羽後長野駅を通過、コーナーともいえない左コーナーを通過し、鶯野を通過、鶯野から角館まで、ゆるい左右の切り替えしがかわをはさんで2回ある。そこで、軽量な209は失速する。
クラッシュがそこに165キロで差し掛かったとき・・・
ギャイィィィィィィイィ!!!
緩めの左のはずなのに、車体が遠心力に負けている。さすがにこの速度ではきつかったか。クラッシュは加速をやめ、惰性走行でそこを乗り切ろうとした。
塚口「よし、もうバックミラーには映ってねえな。このままぶっちぎって、大会新記録の大差をつけてやるぜ。」
塚口のテンションは最高潮にあった。しかし、対するクラッシュも、テンションは同じくらい高かった。何故か。それは昨日のホテルでここがクラッシュに言った事にあった。
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