平和推進探偵団(ブリオ編)


ラリーZさん作

第1話 記憶喪失 --Geda"chtnisverlust--

お前は夢を追いかけろ。私はお前を支えてやる。
な〜に、心配するなって。私とお前の仲だろ。

「起きろー朝だーー」
「ん・・・あーオハヨーブリオはん」
私が起こしたのは私が作ったリラ・ルーだ。
「毎度毎度ワイを起こしてもらって、ホンマ、まいどやで〜。」
こいつの元気なところを見て、私も元気が出る。
「今日の朝食はトーストでいいか?自分でやってくれ」
「まいど〜」
私は都会の自宅兼研究所であるところに住んでいる。そう・・・今はとても平和にリラ・ルーと暮らしている・・・今はだが・・・
「しかしブリオはんはまだ働くきでっか?ワイもそこそこの収入もできて、ブリオはんの収入なしに食っていけるぐらいになりましたし。」
確かにそうだ。リラ・ルーは今は漫才師として夢を追いかけているところだ。
リラ・ルーが頑張っているおかげで、アイツの収入だけで何とか生活できるぐらいまで来ているが、夢がかなったといえば、まだまだだ。
「ヒャッヒャッ・・・リラ・ルーよ。私が働いているのは単なる趣味じゃ。」
私はバーで働いている。
昔は研究が主で、その研究費のために副業でバーで働いていたが、今は研究もバーで働くのも私の趣味だ。昔みたいに、世界を征服したり守ったりするのは楽しくない。そして、義務として研究するのはしんどい。
だから私は誰にもかかわらずにこの都会でのんびりと暮らす予定じゃ。
「まあ、あんまりムリするなよ。ブリオはん」
そして今ではリラ・ルーと一緒に暮らしている。リラ・ルーは私がのんびりと暮らす計画をしているときにやってきて『ワイがブリオはんを支えてやる。だから、つれってって〜な。』といって、半ば強引にこっちにきた。しかし、本当は漫才師として食べていけないけど、夢は捨てたくないからこっちに来ただけだったけど、今となっては、アイツの収入だけで生活もできるようになったし、なによりも、アイツは楽しい。楽しくて、元気をくれるから、私はアイツを支えてやろうと思った。夢をかなえるために・・・
「あっ・・・そろそろ時間や。ほな、行ってくるで〜」
「今日も頑張ってこうよ。」
さてと・・・リラ・ルーがいって静かになったなぁ・・・
バーで働く時間まではまだあるな。
私はバーの時間まで趣味である研究をすることにした。
研究といっても、昔みたいに世界を征服するような難しいものではない。
私がただやりたいことだけをし、ただ楽しむだけだ。
そして、その研究によりできたものが、特許でもとったらその権利ごと売り払って収入にする。そしてその収入でまた新たな研究材料を買う。そんな毎日を私はおくっとるのじゃ。
そんな研究をしていると、8時間が経過した。
「あっ、そろそろバーの時間だ。」
私はバーに行く支度をした。

バーに着き、従業員用の部屋に入ると、店長のジョーがいた。
「おお。ブリオか。今から俺は休憩に入る。客は今はいない。任せたよ。」
「ヒャッヒャ。いつもどおりだろ。わかっておるって。」
私がこのバー『NANDEYANEN』に働くきっかけになったのは、まだ私が世界征服にかかわってた頃じゃ。あの時は、コルテックスが宇宙に基地を作ったのでそれを破壊する装置を作るのに、お金が足りなく、途方にくれていたとき、幼馴染のジョーに出会った。私がお金が必要だと話したら、ジョーは自分の店を紹介してくれて、そして、バーテンダーとして私を雇ってくれた。
「そうだったな。まぁ、お前がいなかったら、逆にこの店つぶれるけどな。」
「ヒャッヒャ。まさか、ここまで繁盛するとは思ってなかったじゃろ。」
働き出して少したって私と、ジョーがともに私にバーテンダーとして才能があることに気づいた。しかし、そのとき私は資金集めが終わった時で、やめようかと考えていた時だ。じゃが、私が働きだしてから、この店が腕利きのバーテンダーがいるという噂が流れ、人気が上がっていた真っ最中であった。そんな時に私がやめてしまえば・・・
「そうだな。お前が残ってくれなきゃ、繁盛どころかつぶれていたな。」
私がやめるといったとき、ジョーはちょっとでいいから残ってくれと私に頼んできた。私は悩んだが、『バイト感覚で3時間』という条件なら残るといったら。快くジョーは受け入れてくれた。そして、ちょっとしか私が現れないので、逆に私見たさでさらに繁盛した・・・と、ジョーは言っている。
「こんなとこで長話はマズイな。じゃ、そろそろ行ってくれ。」
「あーい。」
私は従業員室から出て、カウンターの中に入った。

入ったとはいえ、今は昼下がり。まだ客は着ていない。
私は今日仕入れているドリンクを確認している時、一人の客がやってきた。
「いらしゃいま・・・おお!貴方でしたか。」
「よっ!一番客の上にお前が働く時か。今日は早い目に仕事を切り上げてよかったぜ。」
やってきた客は私が働き始めてからずっと来ている常連であるエヌ・オキサイドだった。彼と話しているうちに、彼と共通するところがあった。それをお互いが知ってから、仲良くなった。
「いや〜しかし、まさかオレ様チャンたちが地球を狙っていたとは思ってもいなかったな〜」
「ヒャッヒャ。お互い失敗しましたがね。」
共通する部分は地球を狙っているというところじゃ。私はコルテックスと一緒に。そしてオキサイドは宇宙最速レーサーとして。そしてオキサイドは今、宇宙で2番目に最速のレーサーを売りとしてタクシーの運転手をやっている。
「いや〜今朝オレ様チャンに起こった話を聞いてくれよ〜」
「ヒャッヒャ・・・いいですけど、お客さん、グラスがからですね〜」
「うまいことを言うなよ〜じゃあ、もういっぱい頼むから今から話すぞ。」
ちなみに、このように客に勧めるテクは、ジョー店長のほうがウケがいい。
「朝、いつもどおり家から働きに行く最中、行き倒れになっていた少年がいたんだ。オレ様チャンはあわてて助けたけど・・・その少年が・・・」
「妖怪だったってオチは勘弁してよ。」
オキサイドがある程度飲んだ後の話は、大体ありえない話をやってくる。
「ちがうよ。その少年は記憶が無いって言い出すんだ。オレ様チャンの話で一番笑える話だろ。」
いや・・・笑えないだよ・・・
「それで、その少年は?」
「『記憶を取り戻すぞー』って行って、いきなり走り出したんだ。妖怪の時よりも怖かったなー」
「名前とかは聞けたのか?」
「だから、記憶喪失だから、名前すら思い出せないそうだ。でも、オレ様チャンからみたところでは、なんだか重大な使命をもってる目だったぜ。征服している時のブリオみたいにな。」
「ヒャッヒャ・・・貴方私が世界征服している時には、まだあったことないでしょ。」
「そうだったな・・・ハハハ。」
実を言えば、私がこのバーに残る最大の理由は、オキサイドにあった。彼と話していると非常に面白い。その面白いのを続けるために、バーに残ったものだ。このことはジョー店長にもオキサイドにも言っていない。
私とオキサイドとの面白い会話は続いた。
「じゃあ、とっておきの話をしてやろうか?」
「ああ。どうぞ。」
オキサイドが『とっておき』といえば、一番くだらない話をするってことを私は知っている。そして、そろそろ帰るってことも知っている。
私は次の客の準備をしながら話を聞くことにした。
「実はだな。またこの地球を征服する計画が出ているらしいんだ。宇宙から特殊な光線を放って・・・」
「ヒャッヒャ・・・また『とっておき』のジョークですな〜」
「ウソじゃないぞ!」
私は今までこんな反応をしたオキサイドを始めてみた。
「う・・・ウソじゃないのか?」
「ああ・・・わりと確かな筋から聞いた話だから間違いない。その光線ってものは、直径1ヨクトの非常に小さなウイルスであり、そのウイルスにより生物の大半を殺して、生き残った生命力の強いヤツは奴隷とする形にするらしい。そのウイルスはもちろん対抗する物はこの地球には存在しない。オレ様チャン達ができることはただ一つ。その機械を壊すしかないな。」
私は黙ってオキサイドの話を聞いた。
「でもヨォ。一つおかしいとこがあるんだ。」
「はぁ。なんですか?」
「そんな重大な情報がオレ様チャン達が普通に知っているとことなんだ。こんな情報、普通は簡単にもれないものだろ。」
確かにそうだ。私が世界征服にも守ってたときも、極秘でやっていた。そして、情報を外に出さないようにしていた。
「ただな、誰がやるのかがわかっていないんだ。まぁ、大体予想つくけどな・・・」
コルテックス。またあいつらか・・・いつもの・・・こと?
まぁ、だとしたらそのうち収まるな・・・
「私達は、ことの成り行きだけを見守ることだけですな。」
「そうだな。そいつが失敗したって話を聞いたら、また話してやるよ。じゃあ、オレ様チャンは帰るぜ。」
私はオキサイドが帰った後いろいろと考えた。
1.コルテックスが犯人のケース
2.コルテックス以外が犯人のケース
3.実はオキサイドの話はウソで、ただのネタだったケース
もちろん、3のケースだったら最もよい。1のケースは、決して良いわけではないが、過去の実績から考えて、2よりはマシだ。しかし、ヨクトまで大きさを小さくする技術があるってことは、コルテックスが犯人であっても、技術力に対しては驚くべきものがあるな・・・
結論として、私は自分でそれなりに調べる必要が出てきたと思った。

TO BE CONTINUED...

戻る