CRASH RUMBLE OF NEWTANTS


伝説のスーパーロングジャンプさん作

Episode11 Newtant's Island

クラッシュ達はついにニュータント軍団の本拠地である島に辿り着いていた。丘へ登ると、その向こう側のふもとにはおびただしい数のニュータントが待ち構えている。
クラッシュ達とニュータント軍団は丘を挟んでしばらくお互いを睨みあった。
クラッシュ「よし、いくぞー!」
クラッシュの掛け声でクラッシュ達とニュータント軍団は同時に駆けだした。しかし、予想以上の数の多さに苦戦するクラッシュ達。
ニュータント達に囲まれてしまうのも、そう時間はかからなかった。だが、どうやらこの状況はある程度想定していたようで、コルテックスが小声で合図をする。
コルテックス「よし、3つ数えるぞ。1、2・・・」
クラッシュ「3ッ!」
何故か突然クラッシュが元気よく合図をしたので、コルテックスは不意をつかれたが他の皆はその掛け声で一斉に駆け出した。
まず、クラッシュ、ニーナ、リパー・ルーのトリプルスピンアタックで相手を翻弄し、陣形が崩れたところを残りの者が攻撃する。
やや出遅れたコルテックスも精いっぱいジャンプして地面に光線銃を撃ち、周囲の敵を攻撃しながら大きく飛んだ。
そのままコルテックスを囲んでいた敵を跳び越え、何とかクラッシュ達に追いついた。
ココ「ここからはスピード勝負よ。予定通り2手に分かれて探しましょ」
そう言ってクラッシュ達は走りながら2つのグループに分かれ、正面からシェレファントが立ちはだかったのを機に左右に分かれた。
右側にはクラッシュ、ココ、パプパプ、ブリオ。左側にはコルテックス、ニーナ、リパー・ルー、エヌ・トランスが向かった。

クラッシュ班が辿り着いたのは、ニュータント達の砦だった。監視役なのかスナイプはクラッシュ達を見るや塀の上から羽を勢いよく飛ばしてきた。
クラッシュ達はそれを避けながら、番人のツララット達を押しのけて砦に侵入した。中に入ると、いくつかの道に分かれていた。
クラッシュ「・・・ちょっと待って」
突然クラッシュは立ち止り、何故か指をなめて目を閉じその指を突き立てた。
クラッシュ「・・・よし、こっちだ!」
そしてクラッシュは自信満々に1つの道に駆け出した。
ブリオ「えぇ〜・・・どうしましょう?」
ココ「まぁ、流石にここで手分けしてとはいけないし、ここはお兄ちゃんの勘を信じましょ」
ニュータント達の猛攻を掻い潜りながらその道を進んでいくと、地下へ繋がる階段を発見した。その奥からは機械の動くような音が聞こえてくる。
クラッシュはなおも躊躇なくその階段を下りていく。ココ達もそれに続いていくと、その階段はどうやら大きな螺旋状になっていたようだった。
その中央には怪しげで巨大な機械があった。その周りには機械を支えているかのように回っている歯車があり、どうやらそれがさっきの音源のようだ。
ブリオ「・・・ここは炭坑でしょうか?」
不安げなブリオの声が地下の空間に響き渡る。
ココ「とにかく、先に進んでみましょ」
すると、階段の奥からニュータント達が上ってくるのが見えた。気付かれる前に、ブリオが先手を打って光線銃を撃つ。
ニュータント達が倒れるのを見ると、4人は急いで階段を下りていった。階段を下りていくと、そこはどうやらトロッコ乗り場のようだった。
もう使われていないのかいくつかのトロッコが無造作に置かれており、レールの上に乗ったトロッコは等間隔で次々とやってくる。
すると、何とトロッコに乗ったニュータント達がやってきて、トロッコを下りてクラッシュ達に襲いかかってきた。
クラッシュ達は慌てて応戦し、何とかその場をしのいだ。
ココ「また来られても困るからもうこれに乗っちゃいましょ・・・」
パプパプ「賛成パプ」
元はニュータント1匹が乗るもののためそれなりに大きさはあったが、流石に4人は窮屈そうだったので2人ずつに分けることにした。
体の大きいパプパプと相席するのは必然的に比較的体の小さいブリオになったが、それでも彼は少し窮屈そうだ。
やがてトロッコはさらに開けた空間に出た。思わずクラッシュ達が感嘆の声をあげてしまうほどだった。
木造の足場が迷路のように建てられており、ニュータント達が行き来している。
さらに、巨大な檻が宙にぶら下げられており、その中にはニュータントらしきものが入れられている。
怪しげな光線を浴びていることから、恐らくは今まさに製造されている真っ最中なのだろう。
さらに下を見ると、色々な物を運ぶ者や丸太を回して機械を動かしている者などがいた。
ココ「可哀そうに・・・ニュータント達も奴隷扱いされてたのね」
ニュータント達を救うためにもヘンリーを倒すと改めて決意し、クラッシュ達はトロッコから飛び出した。

一方、コルテックス班は街に辿り着いていた。こんな島に人が住んでいるのか、と疑ったが、そこに住んでいたのは人間ではなかった。
街の建物からは次々とニュータントが飛び出してきて、コルテックス達を襲ってくる。要するに、ここは完全に『ニュータントの島』となってしまったのだ。
街のどこへ行ってみても、続々とニュータント達が現れ休む暇もない。コルテックスはうんざりしていた。
コルテックス「おい、一旦あの家に隠れてそこで作戦を練ろう」
そこで、コルテックスはその家の扉を乱暴に開ける。その中には数体のスパイク達が何やら談笑をしていたようだった。
中の様子から察するに、ここは酒屋だったのだろう。スパイク達はコルテックス達を睨み、お呼びでない事をアピールする。
しかし、そんなことは百も承知だ。コルテックス達は容赦なくスパイク達を攻撃し、その酒屋をぶんどった。まさに悪党のしそうなことだ。
コルテックス達は酒屋にあった4人席のテーブルを囲み、横にある窓から外の様子を見はりながら、作戦会議を開く。
コルテックス「それでだ。ワシがこの街に来てから気になっている物があるんだが・・・」
それはこの窓からもかすかに見る事が出来た。かなり背の高い塔のような城だ。
ニーナ「クラッシュ達が行った方にもあんな城があったよね」
コルテックス「ああ。だが、あれはここからはかなり距離がありそうだが、それでも大きく見えるな。あっちの方の比じゃあない」
リパー・ルー「アッヒャッヒャ!これはもう、十中八九あの城に奴がいるねェ〜ン!」
コルテックス「いいか?これはチャンスだ。奴らより先にあそこへ行き、さっさとヘンリーを黙らせる」
ニーナ「この4人でアイツを倒すの?」
コルテックス「まぁ、そうだな。そのためにはあらかじめの段取りというものが必要だ。こう言うのも何だが、アイツはワシの自信作だ」
こうしてコルテックスは、ここから城へ行くまでの役割、ヘンリーを倒すための作戦を告げた。
トランス「成程、それは名案ランスな」
コルテックス「だろう?そうと決まれば、こうしちゃいられない。急いで城まで行かなければ・・・アイツらより先にな」
そして、やはり酒屋の扉を乱暴に開いて城へと一直線に足を進めた。そこへサイマジロ達が勢いよく転がってきた。
そこでコルテックスは思わずにやけてしまった。自分はやはり運に恵まれているな、と。
そのサイマジロを4人で協力して素早く倒すと、4人はサイマジロをジャックして、猛スピードで転がしていく。

サイマジロのおかげで、ある程度の敵は振り切れたし、ヘンリーが居るであろう城には5分程度で辿り着いた。
ただ、流石に城の前の警備は厳重だった。1体のシェレファントと、数体のスパイクに加え、塀の上には3匹のスナイプがこちらを狙っている。
コルテックス達はサイマジロ4匹を犠牲にどうにかシェレファントを倒すと、それをジャックして豪快に周囲の敵を倒して城に侵入した。
中に入ると、中央に遥か上へと続く階段がある。その先は薄暗く、あまり様子をうかがい知ることはできなかった。
だが、コルテックスは確信を持ってその階段を上る。階段を上ると、そこにはまたニュータントの大群が待ち構えていた。
ニーナ「・・・おじさん!」
ニーナが後ろに注意を促してきた。というのも、階段の下からも多くのニュータントが迫ってきていたからだ。
コルテックス達は再びニュータント達に囲まれてしまったのである。しかし、コルテックスはひるむ様子を見せない。
コルテックス「・・・よし、3つ数えるぞ。1、2、3!」

続く

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