CRASH RUMBLE OF NEWTANTS


伝説のスーパーロングジャンプさん作

Episode12 A Decisive Battle

コルテックス「1、2、3!」
コルテックスの合図で、ニーナとリパー・ルーがスピンアタックで前に出る。
さらにその後をエヌ・トランスが転がって進んでいき、コルテックスはその先の敵を撃っていく。
ニーナは敵の間をすり抜けて更に前へ進み、そこで腕を伸ばしながらスピンする。広範囲に及ぶ鋼鉄のスピンアタックはニュータント達を一気に蹴散らした。
さらにそこに向けてコルテックスが光線銃を連射し、ニーナのスピンに反射させる。
この全体攻撃で気絶したニュータントを残りの2人がジャックして、敵の包囲網を見事に振り切った。
コルテックス「さぁ、こんな所でもたついてる暇はないぞ」
その後も次々に襲ってくるニュータント達を押しのけながら、頂上を目指してあらゆる部屋を捜索した。
複雑な罠や経路を抜けながら、ついにコルテックスはヘンリーの間へと続く巨大な階段に辿り着いた。
コルテックス「さぁ、いよいよここまで来たぞ。準備はいいな?」
コルテックス以外「もちろん!」
コルテックス「では、行くぞ!」
コルテックス達はヘンリーの間へと足を進めていった。

一方、クラッシュ達は地下のニュータント製造所にて、ニュータントとの激闘を繰り広げていた。しかしその数は想像以上だった。
倒しても倒しても、新たに造られたニュータントが次々とやって来てキリがない。
ブリオ「・・・!皆さん、あれを見てください!」
ブリオが指差した方向には、地下に入ってきた時に見た巨大な機械があった。
あの時は下の方まで見る事が出来なかったが、この機械の根本は地面から何かのエネルギーを吸い出しているように見えた。
ブリオ「恐らくアレはニュータントの素となるモジョを吸引する機械です」
クラッシュ「じゃあ、アレを壊せばニュータントの製造を食い止められるかも」
パプパプ「でも、どうやって壊すパプか?」
ブリオ「あの機械の周りに動力源のような装置があります。それを壊してみましょう」
そう言ってその装置に近づいた途端、ニュータント達は慌てた様子でクラッシュ達に迫り、必死に攻撃してくる。
ココ「ますます怪しいわね・・・」
ココはツララットをジャックして、敵を氷柱に閉じ込めて動きを止める。その間に他の3人もマグマドンをジャックして装置を破壊させた。
すると、巨大な機械は力ない音を出して、怖い教師に怒られた生徒のように動きを止めてしまった。
同時に、今まさに生み出されようとしていたニュータントが浴びていた光線も止まった。
クラッシュ「やったー!止まったぞ!」
こうして、敵の襲撃も幾分穏やかになりスムーズに先に進めた。しばらく進んでいると、今度は上へと続いていく階段を見つけた。
クラッシュ「よし、行こう」
やはりクラッシュは自信満々にその道を進もうとする。ココ達もそれを信じてさらに進む。

その頃、コルテックス達はついにヘンリーの間に辿り着いていた。その空間は割と広く、部屋に入ってもヘンリーとの距離はそれなりに開いているように思えた。
ヘンリー「来たか・・・ただ、戦力は半減しているようだが?」
コルテックス「アイツらは足手まといだ。戦力など変わってはいないさ」
ヘンリー「どちらにしても私は倒せない」
コルテックス「それはどうかな?」
ヘンリー「・・・最後に人質にかける言葉はないのか?」
見ると、ヘンリーの後ろには縄で縛られたクランチやコルテックスの部下が並んでいた。
コルテックス「・・・後にする」
そう言って、即座に光線銃を構えてヘンリーに向けて何発か撃った。しかしヘンリーはそれをひょいと避けてしまった。
ヘンリー「まさか今のが不意打ちのつもりか?」
トランス「俺が倒すランス〜!」
そう言ってエヌ・トランスは果敢にヘンリーに向かっていき、右腕を伸ばしてきた。
すると、その右腕がヘンリーの目の前まで来たところで、禍々しい色合いのバリアが張られた。
コルテックス「何ッ!?」
ヘンリー「ましてや真正面から突っ込んでくるなんて、愚の骨頂だよ」
その時、ヘンリーの目には横からリパー・ルーとニーナが挟み撃ちを仕掛けようとしているのが見えた。
ヘンリー「甘い」
ヘンリーは両手を左右に向け、黒いエネルギーボールを放って2人を薙ぎ払った。
ヘンリー「私が手を下すまでもないな。来るんだ、グリムリー」
そう言うと、どこからともなくグリムリーの大群が現れた。コルテックス達は、グリムリー達を相手にしながらヘンリーへの攻撃のチャンスを窺っている。
そして、リパー・ルーが隙を縫ってヘンリーに近づき、ドロップキックをお見舞いした。
かに見えたが、ヘンリーは瞬間移動をしたかのように凄まじい速さで彼の後ろに回り込み、返り討ちにした。
コルテックス「くそ・・・厄介だな」
ヘンリー「その厄介な力を与えたのは、あなただ」
そう言って、ヘンリーはコルテックスに向けてエネルギーボールを放つ。コルテックスはこれをプラズマ弾で何とか相殺した。
コルテックス「どうだ。思いあがるなよ?」
ヘンリー「・・・足が震えているぞ」
見ると、確かにコルテックスの足は震えに震えていた。
コルテックス「それは錯覚だ」
ヘンリー「戯れ言を!」
もう一度、コルテックスにエネルギーボールを放つ。しかも今度は連続的に3発も放ってきた。
コルテックスはそのうちの1発を相殺したが、残りは間に合わずに必死にヘッドスライディングをして避けた。
ヘンリー「フハハハ!何とも無様な姿だなコルテックス博士!」
追い詰めるようにさらにコルテックスに攻撃を仕掛けていくヘンリーの姿は、さらに魔王のイメージを強めていた。
その時、突如後ろからニーナが現れた。彼女の表情もヘンリーに負けず劣らず悪魔めいてる。
ニーナ「おじさんをいじめたら、許さないんだから」
気付いた時には、ヘンリーは脇腹を思い切り殴りつけられていた。ヘンリーは軽くふき飛んだが、すぐに体勢を立て直し、ニーナに黒の波動を放った。
ニーナは、予想以上の速い切り返しに若干反応が遅れたが、それでも間一髪でその波動を避け切った。
そして、間髪入れずにヘンリーはニーナにエネルギーボールを放った。
これに対してニーナは、部屋にあったフックに手を伸ばしてフックリールで上手くかわした。
今度は不意打ちに気付く事が出来た。ヘンリーはぐるりと体を後ろに回し、エヌ・トランスの攻撃にバリアを張る。
エヌ・トランスは舌打ちをしながら後退して間合いを取った。
ヘンリー「一度攻撃を当てた程度で、私をなめないでほしいな」
そう言ってヘンリーは両腕に力を溜め、そこから禍々しいオーラを滲ませ始めた。
コルテックス「気をつけろ!でかいのが来るぞ!」
そう言った直後、ヘンリーは両の腕を振り上げてから地面に思い切り振りおろした。
すると、そのオーラが衝撃波となって同心円状に勢いよく広がっていった。コルテックス達は急いで距離をとろうとする。
オーラの壁が凄まじい勢いで迫ってくる。そしてとうとうコルテックス達は、その衝撃波に飲み込まれてしまった。
その一撃が終わった後、ヘンリーの眼前には地面に平伏したコルテックス達の姿が映っていた。
ヘンリー「フッ、無様だな。あなた達がこの私に打ち勝とうなどと考えるとは、何とも愚かだ」
その時、コルテックスはわずかに腕を動かし、地面に転がっていた光線銃を何とか掴み取った。
ヘンリー「やめておいた方がいい。無駄な事だ」
コルテックス「お前には・・・このワシが・・・瀕死のように見えるか?」
ヘンリー「まだそんな強がりを口にするのか。愚かだな。目も当てられぬほど愚かだ」
コルテックス「フン、ならば、もう一度よく見るといい・・・この状況を」

その言葉を聞いた瞬間、ヘンリーは体中に激しい痛みを感じた。自分の体をよく見ると、いつの間にかそこかしこに傷ができている。
さらに、体は麻痺して言う事を聞かない。再び、前を見る。コルテックス達はピンピンしていて、与えたはずのダメージはまったく残っている様子もない。
ヘンリーは愕然とし、飲み込めない状況に絶叫した。
ヘンリー「何・故・だああああああああああ!!」
コルテックス「言っただろう?あれは錯覚だ、と」
トランス「まんまとかかったでランスな〜!」
実は、エヌ・トランスの最初の攻撃で、ヘンリーに催眠術をかけていたのだ。
ヘンリーがバリアを張ったおかげで、彼はエヌ・トランスの催眠術を凝視してしまっていた。
暗示にかかったヘンリーは、"見ているはずのない光景"を"見ている"と錯覚し、"受けているはずの攻撃"を"受けていない"と錯覚していた。
コルテックス「さぁ、決着の時だ、ヘンリー。世界を征服するのは、このワシなのだ」
コルテックスは、ゆっくりと光線銃をヘンリーに向けた。

続く

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