CRASH RUMBLE OF NEWTANTS


伝説のスーパーロングジャンプさん作

Episode9 Step Evil School

ブリオ「ふぅ〜、調合できましたよ」
ブリオは、負傷した皆にそれを飲ませて何故か怪しく微笑んだ。しばらくすると、ココ達は一斉に目覚めた。
ココ「・・・あれ?私は一体どうなったの?」
アクアク「あやつはクラッシュが倒したぞよ。安心せい」
コルテックス「さぁ、これで充分だろう。早くワルワルスクールに行くぞ」
ブリオ「しかしここからワルワルスクールへはかなり遠いですよ。どうするのですか?」
アクアク「ワシとウカウカの力で皆をワープさせることもできんではないが・・・ウカウカ、協力するか?」
ウカウカ「うぅむ・・・仕方あるまい。どちらにしろアイツは処理するつもりだったしな」
そう言って、アクアクとウカウカはクラッシュ達の周りを旋回し始めた。
そのスピードはだんだん速くなっていき、やがて周りの景色はおぼろげになっていった。

しばらく経つとおぼろげだった景色は、ワルワルスクールの校門前に変わっていた。しかし、その周囲には何匹ものニュータントが待ち構えていた。
クラッシュ達はいきなりニュータント達に囲まれた状態となってしまったのだ。
ウカウカ「・・・おぅ、場所が悪かったな」
そう言った直後、ニュータント達が一斉にクラッシュ達に襲いかかってきた。すると、ブリオが懐から何かを取り出そうとしていた。
ブリオ「皆さん、うまく隙をついてください!」
そう言って懐から薬品を取り出し、それを投げつけた。すると、その薬品は地面に着くや勢いよく爆発した。
それにたじろいだマグマドンの前に、クラッシュが現れ思い切りキックをすると、おもむろにアクアクを取り付けマグマドンをジャックした。
一方、スパイクも立ちくらんでいる間にエヌ・トランスの体当たりを受け、催眠術でジャックされた。
そして、マグマドンの溶岩攻撃とスパイクの棘攻撃で敵の半分ほどが倒された。すると、森の方から巨大な影が現れた。
それは巨大な尻尾を振りまわしクラッシュ達を襲おうとした。
全員「うわっ!?」
辛うじて全員致命傷は避けたものの、その攻撃はニュータント達をも巻き込んでいた。
上を見上げると、そこにはゴリラの上半身とサソリのシッポが合わさったニュータントがいた。
トランス「な、何じゃあれー!?めちゃくちゃでかいランス!」
コルテックス「あれは・・・サソリラ!」
ココ「あいつ、仲間のことまで攻撃したわよ!」
その時、サソリラはさらにクラッシュ達に殴りかかろうとしてきた。その攻撃を食い止めたのは、パプパプの古代魔法によるバリアだった。
何とかサソリラの腕の動きを止めると、パプパプはすぐさま杖でサソリラの腕を弾いた。それからクラッシュ達は一斉にサソリラを攻撃する。
サソリラは明らかな嫌悪を顔に出して、激しく自分の胸を叩きつける。
その直後、サソリラはいきなり尻尾を真上に上げたかと思うと、そのまま目の前まで尻尾を振りおろして地面に勢いよく叩きつけた。
全員「ぎゃああああああ!!」
激しい地響きで叩きつけられた地面は地割れを起こしてクラッシュ達を揺るがした。
クラッシュ「くっ・・・負けるかッ!」
クラッシュは何とか立ちあがってサソリラにとびかかる。しかし、サソリラはクラッシュを腕で払いのけてしまった。
だがその直後、サソリラの眼前にリパー・ルーが現れ顔面キックを喰らう。
それから、続けざまにココのストンピング、パプパプのボディプレスを喰らい、ついにサソリラは倒れ込んだ。
コルテックス「やっと厄介な敵を倒したな」
しかし、休む間もなく新手のニュータントが次々とワルワルスクールに侵入してきた。
ブリオ「これじゃキリがありません・・・!」
パプパプ「ならば、こいつらの相手はパプパプがやるパプ!お前達は先に進むパプ!」
そう言って先程倒したサソリラをジャックしてどんどんニュータント達を倒していく。
コルテックス「ここはあいつに任せてよさそうだな。ワシらはニーナのところへ向かうぞ」

校舎内に入ると、中にもニュータント達が侵入していた。警備用のロボットも懸命に対応しているようだが、全く歯が立っていない様子だった。
中にはクラッシュ達をも敵だと勘違いして襲ってくる始末だ。(ワルワルスクールの立場からすれば不審者であることには違いないが)
しばらく廊下を進むと、学校らしい階段に続いていた。クラッシュはこれを上っていくと、限りなく寒気に近い不穏な気配を感じた。
クラッシュ「ん〜?」
ココ「どうしたの?お兄ちゃん」
クラッシュ「いや、何か・・・」
クラッシュの言葉よりも先に、グリムリーは現れた。しかも、階段の上下から挟み打ちされる形で数体のグリムリーが出てきたのだ。
ブリオ「ひいぃッ!こんな狭い所で・・・?」
クラッシュ達は狭い踊り場でグリムリー達と闘い、何とかその場を切り抜け、何匹かグリムリーを連れて行くことにした。
しばらく階段を上ると、今度は大きな吹き抜けの空間に出た。そこには巨大な階段が螺旋状に渦巻いており、時々空間ごと貫く橋のような階段も見られた。
多少改築(改造?)されたようだったが、それでも以前来た時の面影は充分にあったので、クラッシュやコルテックス達にはそこが図書室であることはすぐに分かった。
やはり図書室にもグリムリー、バットラー、TKなどのニュータントがうごめいている。
ココ「皆、落ちないように気をつけてね」
コルテックス「フン、ワシを誰だと思っとる!ここの卒業生ネオ・コルテックスだぞ!」
そう言ってズカズカと階段を進んでいくと、上方にいたバットラーの急降下の奇襲を受けて、あっさりと階段の外に放り出されてしまった。
コルテックス「ぬわあああああああああ!!」
全員「まぁ・・・そうなるよね・・・」
クラッシュ「どうする?」
ウカウカ「放っておけ、あんな奴」
アクアク「まぁあやつなら大丈夫じゃろう」
こうして、パプパプとは違った感じでこの場を任されたコルテックスなのであった。
それでもニュータント達の猛攻は終わらない。クラッシュ達は階段から落とされないように注意しつつニュータント達を倒していく。
すると、エヌ・トランスが名案を思い付いたような表情をしてTKに催眠をかけた。
トランス「それなら逆にこっちが落としてやるランス〜!」
そう言って、TKの念力でニュータント達を次々と図書室の底へ落としていく。
クラッシュ「お、それナイスアイディア!」
クラッシュもTKに乗り換えてさらにニュータントを落とす。それを見ていたココにはある不安が脳裏をよぎっていた。
ココ「でも・・・大丈夫かしら?」
その頃、バットラーに突き落とされたコルテックスは図書室の底で孤独な闘いを繰り広げていた。
コルテックス「くそっ・・・倒しても倒しても上から降ってくるぞ・・・あいつらァ、調子に乗りおってーーーーー!!」
少なくとも、ココにはその悲痛な叫びが耳に届いていた。クラッシュ達には聞こえていなかったのか、あるいはわざとなのかどんどん先に進んでいく。
そしてついに図書館を抜け、入り組んだ廊下を通ってニーナの寮部屋まで辿り着いた。クラッシュは何の躊躇もなく扉を開ける。
中にいたニーナはいつも以上に不機嫌そうな顔をしていた。クラッシュの雑な入り方で更に彼女の神経が逆撫でされたらしく彼女はいきなり毒づいた。
ニーナ「はぁ?!何でアンタがここに来てんのよ!アタイが呼んだのはおじさんよ!ていうかノックぐらいしなさいよ、ホントフクロネズミってのは無神経ねぇ!」
クラッシュは後ろにいる者たちに困ったような表情で助けを求める。そういえば、今回の事件について詳しく事情を知っているのはコルテックスくらいだった。
皮肉なことに最もここを目指していたはずのコルテックスを置いてきてしまったのだ。クラッシュ達は今更ながらそのことを後悔する。
その時、更に奥から恨めしそうな唸り声が響いてきた。その声は徐々に大きくなり、同時に切なさが怒りに変わってきているようにも思えた。
コルテックス「おのれぇぇぇえええ!!ワシにこんな役回りをさせおってーーー!!」
そう叫びながら全速力でこちらに向かってくるコルテックスの後ろには、まだグリムリーがついてきていた。
トランス「おいいぃ!!敵まで連れてきてるじゃないランスか〜!!」
コルテックス「うっさいわーーー!!お前らが放り込んできた敵をかたさにゃならんこっちの身にもなれぇ!!」
素早くコルテックスを部屋に入れると、グリムリーもそれに続こうと追ってくる。
リパー・ルーが部屋から文字通り飛び出して、笑いながらグリムリーを蹴り飛ばすと、その反動で再び部屋に入ってクラッシュが素早く扉を閉めた。
クラッシュ「ふぅ・・・これでひとまず大丈夫」
ニーナ「・・・それで一体何があったの、おじさん?」
コルテックス「いや〜・・・これには深い事情があってのォ・・・」
コルテックスはこれまでの経緯をニーナに説明し始めた。

続く

戻る