クラッシュ・ウェスタン


リボルバーさん作

第一章

クラッシュは非常に疲れたので寝ることにした。
「ZZZ・・・」
突然クロックの叫び声が聞こえた。
「大変や!!!」
クラッシュは目が覚めてしまった。
「何だろ?」
クラッシュは声のする方向に行った。
「クラッシュ、大変や!怪我人がおってん!」
「マジか!どこにいる?」
「リアカーに乗せてきた!」
クラッシュはリアカーを覗いた。
美しい女性と不思議な銃が乗っていた。腕には銃で撃たれた跡がついていた。
「出血がひどい・・・消毒液とかはどこにあるんや!?」
「村長さんの所に行こう!」
2人はアーネストの所に行った。
「どうしたんですか?」
「怪我人がいて・・・」
「本当ですか!中に運んでください」
2人は女性を部屋にあるベッドに乗せた。
「消毒薬を取ってきます」
「わても行くわ」
アーネストとクロックはそういって何処かに行った。
「いてててて・・・」
女性が声を発した。
「大丈夫ですか!?」
「此処はどこだ!?」
「今消毒するんで待ってください」
「あれ!?私のワルサーどこ!?」
「え?」
「お前、私のワルサー奪っただろ!」
「奪ってないですって!」
「じゃああいつらか・・・」
「あいつら?」
その時、2人が戻ってきた。
「あ!意識が戻りましたか!」
「今消毒するんでちょっと待ってくれるか?」
クロックが傷の消毒を始めた。
「待てよ!」
突然女性が叫んだ。
「ん?」
「弾丸を先取り出せって!」
「そうや!忘れとった!」
クロックはピンセットを持って弾丸の摘出を始めた。
数分後終了した。
「ふう・・・ありがとう」
「どういたしまして」
「私の名前はリサ。本当に皆さんは命の恩人だわ」
「いやいや。怪我した人をほっとくなんて保安官のおいらにはできませんから」
「お前何もしてへんやん・・・」
「私はもう大丈夫だから、どこか泊まる所無い?」
「兄ちゃん、案内してやって」
「分かったわ、あそこやな」
クロックはリサを連れて宿屋に向かった。
「では、おいらも失礼します」
「分かりました」
クラッシュはアーネストの家を後にした。外はもう夜になっていた。
「喉渇いたな・・・」
クラッシュは酒屋に向かった。
「いらっしゃい・・・アップルシェリフじゃねえか」
「そう呼ぶなよ!」
中は町の住民達でガヤガヤしていた。
丸テーブルを囲んでディンゴ、リラ・ルー、タイニーが酒を飲んでいた。
「ディンゴ!これからもがんばって仕事しようや!」
「こっちだっていいもん作ってやるからな!リラ・ルー!」
「2人とも仲直りしてよかった!タイニー、感激!!」
「・・・にしても保安官は困ったもんやな」
「保安官があんな調子じゃ町が終わっちまうぜ」
「妹のココや兄のクロックのほうが頭がいい!」
クラッシュはその会話を聞いて肩を落としながらカウンター席に座った。
カウンター席ではビロードと南とダルヴが酒を飲んでいた。
「マスター、やっぱりお前の作るカクテルは旨いな!」
「マスターさんはやっぱりいい味持ってますね」
「本当に旨い!マスター最高だ」
「照れるな・・・今日はただにしといてやるよ」
「じゃあおいらも・・・」
「金払えよ」
「・・・りんごジュース一本」
「お前酒が飲めないのか!?」
「子供ですね・・・」
「保安官はウイスキーをボトルから飲むのが普通じゃねえのか?」
「最後のやつはおかしいだろ・・・悪かったな子供で!マスター!ウイスキー水で割らずにくれ!」
「・・・無理するなよ」
クランチはウイスキーをクラッシュに渡した。
クラッシュはそれを一気に飲み干した。
「お前!死ぬぞ!」
「やりすぎだって・・・」
「大丈夫か!?」
クラッシュは別になんとも無いようだった。
「良かったな・・・」
ガチャ!
酒屋の扉が開いた。
「いらっしゃい」
赤いスーツを着たポトルーが立っていた。
「客じゃないんだ」
「ポトルー!?」
クラッシュは腰のSAAをポトルーに向けた。
「お前、ポトルーズの一人だな?」
「何だと!?」
酒屋にいた人全員が武器を構えた。
「物騒なもん向けるな。俺様は敵じゃない」
「ポトルーズが敵じゃない?嘘付け!お前はポトルーズ内一番の優秀ガンマン、ポトリゲスだろ!」
「さすが保安官、そういうことはよく知ってるんだな。そんな事はどうでもいい」
「とっとと出て行け!」
「いい情報を持ってきてやったんだぞ」
「いい情報?」
「明日の正午、ここにポトルーズが攻め込む」
「何だと!?」
「人数は約五十人。やつらの目的はデザートアップルを強奪することだ」
「わざわざ敵のほうから情報を持ってくるとは・・・」
「俺様はもう奴らのやり方にはうんざりだ」
「どういうことだ?」
「奴らは今では無力な者たちを襲うことしかしてない。そして様々な物を盗んで売り飛ばすんだ。昔は違った。そんな低俗な犯罪をしてなかった。もっと高貴なことをしていた」
「低俗だろうと高貴だろうと犯罪は犯罪だ」
「今のポトルーズは俺様の望んだギャング団ではない。だから俺様は奴等と敵対することにした」
「・・・微妙な理由だ。で、何が目的?」
「とりあえず無力な貴様らを少しでも手助けしようと情報を教えてやった。俺様がいたらポトルーズに負けることはない」
「すごい自信・・・。みんな!荷物をまとめて、戦える奴は武器を持って村長の家までくるんだ!この町にいる奴全員にしらせるんだ!」
クラッシュはそう叫ぶと酒屋を飛び出した。
それに続いてみんなが酒屋から飛び出した。
クラッシュは家に戻ってクロックとココを呼び出した。
「お兄ちゃん何?」
「クラッシュ、何や?」
「明日の正午、ポトルーズが此処に攻め込む。ココは家の荷物をまとめて、兄ちゃんは武器を持っておいらと来い!」
「分かったわ」
「わかった」
クロックは鞄からシカゴタイプライターを取り出した。
「行くぞ!!」
クラッシュとクロックは村長の家に向かった。
村長の家にはすでに町の住民が集まっていた。
アーネストは何が起こったかわからずおどおどしていた。
「保安官さん・・・これは?」
「明日の正午、ポトルーズが此処に攻め込むんです。だから村長さんの家で作戦会議をしたいのですが・・・」
「何ですと!!それは早く作戦を考えなければ・・・皆さん!家に入ってください」
みんながアーネストの家に入った。
「集まったのは・・・おいらを合わせて13人か」
クラッシュ、クランチ、リラ・ルー、ディンゴダイル、タイニータイガー、ウォーラス、クロック、ビロード・ビースト、南サトリ、ダルヴ、ザジ・レリエル、リサ、ポトリゲスが輪になって座った。
「リサさん、大丈夫なんですか?」
「ダルヴさんから話は聞いたわ。ポトルーズだったら望む所よ!次こそ絶対倒してやる」
「次こそ・・・?」
「ま、そんなことはどうでもいいの」
「ザジさん、あなたは戦えるのですか?」
「見縊らないで・・・」
ザジはそういって黒いマントの裏からワルサーP38を、担いでいたケースからチャーターアームズARセブンを取り出した。
「・・・十分です。ビロードさんはスタームルガーで戦うのですか?」
「そうだ。お前の壊した奴でな」
「・・・サトリは刀で?」
「あと、これもな」
南は鞘から銀色に輝く刀を抜き、腰からガバメントを取り出した。
「ダルヴさんは何で?」
「これだ」
ダルヴは真剣を取り出した。
「ポトリゲスはマシンガンでか」
「そうだ」
ポトリゲスはスコーピオンを構えた。
「ディンゴは・・・火炎放射器!?」
「あたりめえだ。仕事用のやつを改造してやった」
「リラ・ルーとタイニータイガー、ウォーラスはSAAか。あまりに人員が少なすぎるな・・・」
クラッシュたちはどのようにしてポトルーズたちを追い返すか悩んだ。
数十分後、意見がまとまった。
「話し合いの結果、各場所に人員を置いて待機することに決定した。今から各待機場所を言っていくから。まずザジさん」
「・・・どこ?」
「あなたは狙撃が得意だそうなのでこの町唯一の入り口の近くにある高台に待機してもらいます。そこには鐘があるのでポトルーズが来たらそれを鳴らした後、狙撃を開始してください」
「了解」
「その際町の入り口は閉鎖します。その門の近くにダルヴさんは待機してください。ポトルーズが進入したら攻撃を開始してください」
「了解だ」
「村長さんの家には町の住民を避難させます。彼らの護衛をクランチ、リラ・ルー、タイニー、ウォーラス、お願いします」
「分かったよ」
「分かったで」
「タイニー、分かった!」
「分かった」
「住宅街付近の警備はビロードさん、クロックでお願いします」
「わかったぜ」
「わかったでぇ!!」
「店付近の警備はリサさん、サトリお願いします」
「分かったわ」
「承知した」
「そしておいらとポトリゲスは酒屋付近を警備する」
「お前とかよ・・・」
「文句言うな!とにかく今夜は全員警備位置につく。しばらくしたら村長さん、町の全体放送で住民たちを此処に避難させるよう指示してください」
「分かりました」
「では、各人員警備配置に!!」
「了解!!!」
全員が村長の家から出て行った。
ザジは高台を登ってチャーターアームズを取り出した。
今回の戦いは簡単には終わらない。そう彼女は思っていた。
ダルヴは門の近くに座り込み剣を磨き始めた。
出会った敵は片っ端から切り殺す意気込みでひたすら剣を磨いた。
ビロードとクロックは住宅街についた後、銃のメンテナンスを始めながら会話をした。
「全く、お前もあんな弟を持って大変だな」
「そうなんっすよ・・・でも、あいつはこの町を守る気だけはあるようでよかったわ・・・」
「そうだな。あいつはきっと全力で戦ってくれるだろう」
リサと南は店付近に着いた。リサはエアリアルマシンガンを構えて、南は黙ったまま刀を抜いた。
「南さん・・・でしたっけ?」
「そうだが」
「きれいな男の子・・・」
「お世辞か。バレバレだぞ」
「本当のことですよ・・・私、足手纏いになるかもしれませんがよろしくお願いします」
「迷惑だけは掛けるなよ」
クラッシュとポトリゲスは酒屋に着いた。
「何で俺様がお前とタッグを組まないといけないんだ!?」
「あんたはまだ信頼できないから、保安官のおいらが監視すると言う意味でこの組み合わせになったんだ!」
「お前・・・ただ酒が飲みたいだけだろ」
「おいらはりんごジュースの方が好きだぞ!」
「・・・りんごジュースを飲む気だな」
「う・・・」
彼らは心地よい緊張感を保ったまま朝を迎えることになった。

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