クラッシュ・ウェスタン


リボルバーさん作

第二章

太陽が高く上がり、街をギラギラと照らしている。
門の高台で監視をしていたザジは、遠くで何かが動いているのを確認した。
よく見てみると、何十人もの赤いスーツを来た奴らが馬に乗ってこっちに向かっているのが分かった。
ザジはこいつ等がポトルーズだと分かった。思いっきり鐘をたたいた。

ゴーーーン!!

ついに来たか・・・
ザジはチャーターアームズを構え、ポトルーズの一人を狙った。
ザジは引き金を引いた。火薬の炸裂音とともに銃口から弾が発射された。
その弾は見事にポトルーズの一人の頭に直撃し、そいつは馬から滑り落ちて倒れた。
ポトルーズ等は馬を止めた。
「狙撃手がいるな・・・」
ピンストライプはそう呟き、シカゴタイプライターを構えた。
ザジがピンストライプに標準を合わせた瞬間、ピンストライプはシカゴタイプライターの引き金を引いた。
まずい!ザジはとっさに高台から飛び降りた。ピンストライプの撃った弾は高台に直撃した。
「大丈夫か?」
ザジの元にダルヴが駆け寄った。
「大丈夫・・・」
地面が地響きを上げ始めた。ポトルーズがこちらに向かっていた。
門の上から何かが投げ込まれた。ダルヴはそれがダイナマイトだと分かった。
「ダイナマイトだ!逃げろ!」
ザジとダルヴは門から離れた。
爆発音とともに門が破壊され、物凄い速さでポトルーズが攻め込んできた。
「お前ら!作戦通りにやれよ!」
ピンストライプの叫び声に続き、手下たちが返事をし、街の各方面に向かおうとした。
ダルヴは剣を構え近くにいる奴から切りかかっていった。
「敵は五十人ちょうどよ」
ザジはそういってワルサーをポトルーズに向かって撃っていった。
どんどんとポトルーズは倒れていった。
「クソ・・・」
ピンストライプは予想以上に人員が減ったことに困惑した。地面に何かをたたきつけ、馬を走らせた。その瞬間煙幕が立ち込めた。
ザジとダルヴは咳き込んでしまった。
煙幕が晴れた後、門の近くには誰もいなくなっていた。
ポトルーズ達は既に人員が三十人になっていた。
ピンストライプは馬に乗りながらこう言った。
「十人一組になって行動だ。作戦通りにやれよ」
ポトルーズ達は十人一組になって各路地に分かれていった。
「来たで!!」
住宅街にいたクロックとビロードは銃を構えた。
「食らえ!」
クロックはシカゴタイプライターを乱射した。しかしすべて弾は外れてしまった。
「全く・・・それじゃあ当たるわけ無いだろ。とっととリロードしろ!」
ビロードはスタームルガーを物凄い速さで撃っていった。
弾は馬にあたり、馬が暴れ、ポトルーズは転げ落ちていった。
「リロード終わったで!」
「カバー!」
クロックが前に出てシカゴタイプライターを撃ち、ビロードはスタームルガーに弾を装填した。
もちろんポトルーズもスコーピオンを構えた。だがシカゴタイプライターの弾が当たる方が早かった。
ポトルーズ達は全員その場に倒れた。
「クリア・・・」
「やったな!」

リサと南はポトルーズの攻撃を避けるため店の中に隠れていた。
「あれだけの人員だと厳しいわね・・・」
「フン・・・見ときやがれ」
南は刀を構え、外に飛び出した。
ポトルーズ達は南に向けてスコーピオンを乱射した。
南はすべての銃弾を刀で弾き返した。
「逃げろ!!」
ポトルーズ達は恐ろしくなり、散り散りに逃げていった。
南はその後ろから恐ろしい速さで切りつけていった。ポトルーズ達は散り散りになった。
南は刀の血を払い、鞘に収めた。
「まぁ、大体こんなもんだろ」
リサは目の前でおきたことを見てただ呆然としていた。
クラッシュとポトリゲスもポトルーズたちと銃撃戦を繰り広げていた。
しかしクラッシュはまともにSAAが撃てず、全部の弾を撃ち尽くしたが、すべてはずしてしまった。
「弾切れだよ〜〜!!!」
「早すぎるだろ!!まだ一人も倒して無いだろ!もういい、隠れてろ!!」
クラッシュは酒屋の中に入った。
「今のうちに〜♪」
クラッシュは樽の中に入っていたりんごジュースを飲み始めた。
一方ポトリゲスは、ポトルーズ達に囲まれ、絶体絶命の危機に立っていた。
「ごくろうだ。下がれ」
後ろの方から声がした。ポトリゲスは後ろを振り返ってみた。そこにはピンストライプがいた。
ピンストライプは酒屋の扉を後ろにしポトリゲスにS&W M500を向けていた。
「これはこれは、ピンストライプさんじゃないですか」
「どこに逃げたかと思えば、こんな小さな街にいたのか。今ならまだ戻ってきていいんだぞ?」
ポトリゲスはゆっくりと首を横に振り、こういった。
「もう悪事には手を染めたくない」
「何だって?ハハハハハ!!」
ピンストライプは馬鹿にしているように笑った。
「お前は過去に大量の命を奪ってきたんだぞ?そんな奴が悪事から抜け出したいだって?笑わせるな!」
ピンストライプはS&W M500を空に向かって一発撃った。
「ま、お前がそう望んでいるんなら別にいいがな。だがそうしたら、お前は俺に殺される」
ピンストライプは再び銃口をポトリゲスに向けた。
一方クラッシュは外で起きていることはお構いなしにりんごジュースを豪快に飲み続けた。
樽の中に頭をつっこみ、周りにりんごジュースを撒き散らし、物凄い速さで飲み干していった。
「ゲフッ。飲みすぎちゃった」
クラッシュはその場に座り込もうとした。しかしりんごジュースで足を滑らしてしまい、樽にぶつかってしまった。
樽は横に倒れ、ゴロゴロと転がっていった。
樽はどんどん酒屋の入り口に向かっていき、とうとう外に飛び出していった。樽はどんどん速くなっていく。
ポトリゲスはすぐに気がついたが、ピンストライプは全く気づいていなかった。
「さあ!お前の人生もこれで終わりだ!」
ピンストライプはそう叫び、引き金を引こうとした。
ポトリゲスもこう呟いた。
「お前の人生も終わりだ・・・」
樽はとうとうピンストライプに直撃した。
「ギャアーーー!!!」
ピンストライプは大きく前に飛ばされてしまった。
ポトリゲスは樽をさっと避けた。
ピンストライプはゆっくりと立ち上がった。
「クソ・・・腰を痛めてしまった・・・エーイ!お前ら、退却だ!!」
ピンストライプはそう叫んで、馬にまたがり手下たちと物凄い速さで去っていった。
「どうしよ・・・」
クラッシュは樽のことを心配して表に出た。ポトリゲスはクラッシュに近づいた。
「保安官、さすがだな」
「へ?」
「奴ら、去っていったぜ。まさか樽で追っ払うとはな・・・」
「え?ま、まあ・・・」
クラッシュは何が起こったのか全くわかっていなかった。
「ポトリゲス。とりあえず村長さんの家に戻ろう」
「そうだな」
クラッシュとポトリゲスはアーネストたちの元に戻った。
家の前にはアーネストが立っていた。
「保安官さん!どうでしたか?」
「ポトルーズを倒しました。奴らは退却していきました」
「それは良かった・・・」
「ここは襲われませんでしたか?」
「はい。大丈夫です」
クラッシュはほっとして、街の全体放送で警備をしている者たちを呼び戻した。

戻る