クラッシュ研究所


ホイホイチャーハンさん作

第一話

ここは孤島ダイカンヤマ。
その端に異臭を放つゴミ屋敷。
そこにいる老人こそが、自称英雄であり、世界一の知識を持つと宣伝して回って迷惑をかけている男ユガミネーナ。
そのチラシには、クラッシュ・バンディクーの謎解明!と書かれていた。
「教授、クラッシュ・バンディクーの話題を受信したって本当ですか?」
「遅いぞ、セプテンバー。お前は本当にとろいな」
「すいません。でもクラッシュは大好きなんです。友達と遊ぶ約束を断って来ちゃいました」
「友達とかいいから。同性の友達と遊んでもリア充とは言わんぞ」
「……女の子ですけど」
「お前帰れ。俺は女と遊ぶようなチャラい奴とはつるみたくない」
「教授、すいません。早速翻訳しましょう。クラッシュについて知りたいんです。どんなことでもいい!」
「ふん、そこまで言うなら仕方ないな。早速始めるぞ」

教授は古臭い眼鏡を拭き、萌えフィギュアを眺めて、ふと遠い目をして語り始めた。
「タスマニアの大企業社員はほぼフリーパスで多くの企業秘密にアクセスできる。」
「はい。」
「企業秘密にアクセスできない社員は、逆に会社から信用されていない社員だ」
「……あの、教授。自分の知ってるクラッシュと世界観が違うような……」
「うるさいな!黙って聞いておれ。欧米の企業と違い、タスマニアの社員全員が自社の企業秘密にアクセスし改良改善協業をして世界に冠たるグローバル企業になった」
「はい」
「そういう社風なので、グリンを入れたくないから新卒採用している。中途採用をしてわざわざ産業スパイを呼び込む、そんなリスクは避けている」
「グリン!?知ってます、あの可愛いペンギンだ!!」
「グリンを知っておるのか?」
「はい!グリンとは、なんか無口なんだけどあのルックスはかなり人気なんじゃないかな」
「無口なのは良いことじゃ。俺のアキハバラの友達も女性の前では無口になる。無口は硬派な男の特権じゃ」
「いやいや、外見ですよ。グリンって可愛いからアイコンの使用率も高いんじゃないかな!?」
「……お前、なんの話してんの?」

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