パニックコメディ Funny Agony


回転撃さん作

〜Ending〜

MIX


とある海の上に浮かんでいるとある船。そこには1人の科学者と1匹のスカンクが乗り合わせていた。科学者であるクリムゾンアイズ・マッドサイエンティストは何故か怒りの表情を見せ、スカンクのぷうはそれにこれ以上ない程おびえていた。
「お前達が俺の計画を狂わせたんだッ!今すぐ死んで詫びろ!!」
クリムゾンの怒りに同調するように背後にある島の火山からは勢いよく溶岩が噴出していた。それによって火口から飛び出してきた火山弾がこの海まで雨のように降り注いでいる。
「ひぃ〜、お助け〜!」
クリムゾンは逃げ惑うぷうに容赦なくレーザーソードを振り回す。するとその瞬間、ぷうは突然足を滑らせ思い切り転んでしまった。そのおかげでクリムゾンのレーザーソードはすれすれでぷうの頭上を通過し、背後にあった舵を斬りつけてしまった。
「しまった・・・!!」
火山弾の雨から逃れるため猛スピードで海上を走らせていたこの船は、舵の大破により方向転換する術を失った。もし前方に何かが現れれば、それを避けることは叶わないのだ。
「貴様ッ、よけるんじゃねぇ!!」
「そ、そんな無茶な・・・」
すると、クリムゾンはぷうの首を勢いよく掴んで持ち上げた。
「ぐぁっ・・・!!」
「・・・よし、これならもう避けられないだろう」
ぷうは必死に足をじたばたさせて抵抗しようとするが、クリムゾンからしてみれば滑稽なだけだった。さらにぷうを高く突き上げレーザーソードを握りしめる。するとその時、クリムゾンの視界にある物が映り込んだ。
ぷうの頭上から大きめの物影が迫ってきていたのだ。
「・・・何ッ!?」
それはクリムゾンに避ける時間を一切与えず、問答無用で彼の頭に突撃した。クリムゾンや彼に掴まれていたぷうはその衝撃で甲板の上に倒れ込み意識を失ってしまった。しかし、そんなことはお構いなしに、彼らを乗せた船は止まることなくただひたすら前に進み続ける。
そして、その先には大きな島が待ち構えているのだった。

目が覚めると、そこにはいつも見慣れた風景が広がっていた。クラッシュはゆっくりと起き上り、辺りを見回してみる。すると、その視線の先には見覚えのある建物が見えた。
クラッシュの家だ。コルテックス城での新兵器の爆発により、クラッシュは彼が住んでいるこの島まで吹き飛ばされてしまったらしい。クラッシュはすかさず他にも誰かがいないか探しまわる。
すると、割とすぐ近くに皆がいた。ココやクランチ、アテナにアニーも砂浜に倒れ込んでいたが、クラッシュが皆を起こそうと声をかけると、彼らはそれにすぐに応えた。
「・・・クラッシュ?」
「よく分かんないけどオイラ達、何とか戻ってこれたみたいだよ」
そう言われて辺りを見回すと、ココ達もクラッシュの家を発見して納得した。そんな中、アニーはさらにもう1つ気がついた。
「・・・ねぇ、あれは・・・?」
アニーはそう言って、海の方を指差した。見ると、その先には低い音を出しながらこちらに向かってくる何かがあった。相当な速さでこちらに向かってきているため、それが何なのかは割とすぐに分かった。
「・・・ふ、船!?」
「あの船止まる気配が全くないんだが・・・」
クランチの言葉に全員が嫌な予感を感じ取った。しばらくしてココが叫ぶ。
「・・・逃げてーーーッ!」
そう言った直後、その船は物凄い勢いで浅瀬に乗り上げ、それでもある程度の勢いを残して砂浜を滑っていく。幸いクラッシュ達はその軌道から離れていたが、その先にはクラッシュの家が建っており、壮大な音をたてて大破した。
「オイラの家ぇぇぇええええええ!!」
口をあんぐりと開けてその様子を見つめるクラッシュ達。そして、ようやくクラッシュが家を破壊した船に駆け寄っていく。すると、そこには3人の人物が倒れていた。クラッシュはそれを見て驚きのあまり声を上げる。
「コルテックスとぷう!!?」
その声を聞いてココ達も驚きの表情を見せた。一体何故彼らはこの船の中にいたのだろう。ココ達が困惑した表情を見せる中、クラッシュはさらにぷうの近くにある物を見つけた。
「これは・・・!」
リンゴだ。クラッシュはそれを手に取り、眺めてみる。すると、何とそのリンゴは夕陽の光に反射して金色に光りだした。それを見たクラッシュは瞬時に晴れ晴れした表情をして、そのリンゴにかぶりついた。



「パニックコメディ」終わり

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