パニックコメディ パニックラッシュ!


回転撃さん作

MIX

どこかで爆発音がしているような気がした。エヌ・ジンがメカの製作に失敗したのか、それともウカウカが癇癪を起して暴れ回っているのか、とにかくここコルテックス城では爆発音を聞く機会が割と多い。
ただ、どうもこの音はここよりも遥かに遠い場所からうっすらと聞こえてくる程度のものだった。爆心地がこの付近でないとするならば、一体何が原因なのだろう。一瞬そんな事を考えたが、
コルテックスの意識はすぐに目の前の発明品に向けられた。もうすぐだ。もうすぐでこれまでにないほどの威力を誇る新兵器が完成する。これさえあれば、あのバンディクー達をも容易く退ける事が出来るだろう。
それが遠からず現実のものになろうとしていると思うと、自然と胸が高鳴った。後は部下に取って来るように頼んだ材料を待つのみだ。すると、コルテックスの研究室の扉が開いた。

目が覚めると、そこにはいつも見慣れた風景が広がっていた。ナットはゆっくりと起き上り、辺りを見回してみる。すると、目の前の崖の上に見覚えのある巨大な建物が見えた。
ワルワルスクールだ。無人島での火山の大噴火により、ナット達はワルワルスクールがあるこの島まで吹き飛ばされてしまったらしい。シドやニーナの発明品はどこにあるのだろうか。そう思ったナットの手には既にニーナの発明品がしっかりと握りしめられていた。
「・・・やっべ!;」
慌ててナットはそれを放り投げる。すると、その直後にその機械から勢いよくエネルギー波が放出された。
「・・・ふぅ、あぶねぇ・・・ったく、ニーナの奴厄介なもん作りやがって・・・」
ニーナの発明品は、実はそれを持った本人に被害を与える悪戯発明品だったのだ。特定の場所を決められた順番で触れると電源が作動し、内部で精製されたエネルギーを周囲に放出する仕掛けになっているのである。
間一髪不意打ちを逃れたナットは、それが作動しないように取ろうとすると、その奥から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「・・・何がふぅ、だよ。こっちが危ない目にあったじゃないか」
そこにはナット以上にボロボロの恰好をしたシドがいた。ナットが発明品を投げたさらに奥にシドが倒れていたのである。
「あ、シド。そこにいたのか;」
「・・・ま、色々とひどい目に遭ったけど、何とか持ってこれたね」
「あぁ、なんだかんだで俺達ついてるぜ」
「さ、行こう」
シドの合図で、2人は残りわずかなワルワルスクールへの道を歩き始めた。

目が覚めると、そこにはつい先ほどまでいた森とさして変わらない景色が広がっていた。クラッシュはゆっくりと起き上り、辺りを見回してみる。すると、森の奥に見覚えのある巨大な建物が見えた。
コルテックス城だ。無人島での火山の大噴火により、クラッシュはコルテックス城があるこの島まで吹き飛ばされてしまったらしい。他の皆は今どこにいるのだろうか。またしても1人きりとなってしまったクラッシュは不安を感じていた。
するとその時、木の陰から聞き慣れた声がしてきた。
「クラッシュ・・・クラッシュなのか?」
振り返ると、そこにはクランチがやってきていた。
「・・・クランチ!無事だったんだね」
「ああ。きっとアクアク爺さんが守ってくれたんだろうな」
「他の皆は・・・?」
「・・・わからねぇ。だが、きっとみんな無事さ。まだこの近くに誰かがいるかもしれねぇぜ」
「そうだね。探してみよう」
そうして2人は歩き出した。と、ここでクラッシュが何かを思い出したように突然、あ、と声を出した。
「どうした?」
「そういえば黄金リンゴは?!袋に入れて持ってたはずなのに・・・」
2人は辺りを見回し探してみた。すると、偶然にもクランチがその袋を発見した。
「あ、あれじゃないのか?」
「お〜〜〜〜〜!ホントだ!これでやっと黄金リンゴを食べられ・・・」
しかし、その袋はリンゴの汁にまみれているだけで中には1つもリンゴはなかった。
「あれ?どうして・・・!?」
「これは・・・落ちてくる時に全部潰れちまったんだな・・・あんだけの衝撃でかなり吹っ飛んだみたいだしな・・・」
「・・・・・・・・・・・・そんなァァァアアアアア!!」



「Funny Agony」へ続く・・・

戻る