fight&fly


フレインさん作

第2話 〜陰謀〜

「なんだと?アメリカ?特殊部隊?大統領?いったいどういう…」
「アメリカとはユナイテッドステーツオブアメリカの略。特殊部隊とはホワイトハウスの高官が必要に応じて結成できる部隊。大統領とはアメリカの元首だ」
エドウィンはコルテックスの質問に間髪いれずに淡々と答える。その声にはまったく感情がこもっていない。
「そういうことを聞いたわけではないんだけ…」
「じゃあ何を聞きたいのだ?」
エドウィンはまた躊躇無く答える。コルテックスの目には困惑と混乱に苛立ちも浮かんだ。
「だーかーらー!そんなアメリカのお偉いさんが何をしにきたのか聞いてんだよ!」
短気なコルテックスはすぐに声を荒げた。
しかしエドウィンはまったく気にしていない。まるでコルテックスが声を荒げたことにも気づかなかったかのようだ。
「私たちが何をしにきたのか聞きたいのか?それは、お前たちと一緒にココ・バンディクーを始末するためだ」


タスマニア島には雨が降り続いていた。
今日はかなりひどい。酒のような雨だ。
無論、こんな日に海でバカンスなどできるはずも無く、クラッシュ、ココ、クランチは家の中にいた。
雨が屋根を強く叩く。
風がうなりをあげる。
雷鳴が鳴り響く。
家がきしむ。
ココは機械いじり、クランチはバーベルをあげている。クラッシュはというと、ココや、クランチや、暖炉の輝く火や、その上のタウナの写真などを交互に見ていた。クラッシュは家にいるときには、ほとんど昼寝をしているのだが、こううるさいと昼寝もできない。さらにりんごも、ここ数日の嵐で底をついていた。クラッシュは他に何もすることがない。
暇だ。
退屈だ。
どうしようもない。
自分でも知らないうちにタウナとの思い出を追いかけ始めた。
そんな時、思い出から残酷にもクラッシュを引き離そうとするように、ドアが激しく鳴った。何者かがノックしたようだ。
クラッシュはドアをあけた。吹き付ける雨風にかおをしかめる。
外には友達のアーネスト・エミューが立っていた。
服は乱れ、体中水浸しだ。かなり深刻そうな顔つきなのがわかった。
「クラッシュ、僕のワンパの木が大変なんだ」

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