fight&fly


フレインさん作

第9話 〜飛翔〜

ココ「準備ができたわ。さあ、この中に入って!」
クラッシュ「何をするんだ、ココ?」
クラッシュもアーネストも困惑顔だ。
ココ「早く!!」
アーネスト「し…しかし…」
ココ「入りなさい!!!!」
ココが一喝した。
クラッシュとアーネストは逃げるようにココどこワープマシンに入る。
クラッシュ「もう一回ワープしてどうするんだよ…というか重い!!」
クランチはまだ目を覚ましていなかった。
ココ「もう一回ワープすれば元の場所に戻れるわ。そこで…」
クラッシュ「ちょ…またあそこに?」
顔面蒼白になった。
ココは答えなかった。
クラッシュはため息をつき、マシンのなかに入った
――――――凍てつく穴の底に戻るために。


ジン「目標はどこにも見えません」
エヌ・ジンはスーパー双眼鏡を覗きながら言った。
ディンゴ「くたばったんじゃねえの?あいつらカナヅチだし」
ジン「いや。穴の中にもいない」
エドウィン「では、奴らは脱出したというのか?あの穴から?」
針を思わせる鋭い声で言った。
ジン「そう考えるのが妥当でしょうな」
深刻な顔で言った。
トロピー「あのネズミどもは1000年ほどフューチャーにいるようネ」
いままで沈黙していたエヌ・トロピーが口を開いた。
ジン「しかし…どうやって?」
トロピー「さあね」
エヌ・ジンはおもむろに無線機を取り出した。
ジン「コルテックス殿。奴らはここには…いや、この世界にはいないようですぞ」
コルテックス『この世界にいない?ではどこにいるのだ?』
コルテックスは混乱しているようだった。
ジン「約千年後だそうです」
突然無線が切れた。
ジン「コルテックス殿?応答してください!」
声は聞こえなかった。
ノイズだけが続いた。
ジン「なにが…?」


クラッシュたちは穴の中に戻った。
だが、少しも気が楽にならなかった。
クラッシュ「これからどうする?」
ココ「………ここにいたら私達みんな凍え死んでしまうわ。
かといってまたワープするのも危険だし…」
クラッシュとココは黙り込んだ。アーネストの表情が変わった。
「…………ん…」
誰かの声がした。
クラッシュ「クランチ!!」
クランチ「…クラッシュ?俺…どうしたんだっけ・・・」
クラッシュ「さあ…むしろこっちが聞きたいんだけど」
クランチは覚えていないようだった。
アーネスト「とにかく、みんな僕につかまって」
アーネストが唐突に言った。
ココ「え?」
アーネスト「いいから!」
クラッシュ「なにを…うっうわ!!」
アーネストの体が急に浮かんだ。
飛んでいたのだ。
クラッシュ「飛べるの!?エンマなのに!?」
アーネスト「エミューね。害虫の駆除をバキッボコッてやってたらできるようになったんだ」
クラッシュ「なるほど〜」
クランチ「いや、わかんねえし。なんかキャラ変わってないか?」
そうこうしている間にすでに地上に出ていた。
すぐに、黄色い頭を見つけた。


コルテックスは突然穴からでできたものを見て腰を抜かしかけた。
クラッシュ、ココ、クランチを乗せたアーネストがこちらにまっすぐ飛んできたのだ。
逃げるのにはすでに遅すぎた。
戦うしかない。
コルテックスは光線銃を構えた。

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