APPLE BASKET


イエーイクラッシュさん作

第2クォーター

 イエクラは今、島のクラッシュバンディクーファンクラブに来ている。
 ここは島で1番活気のある所だ。
 イエクラは買ったりんごジュースを片手に、
「ここはいつ来ても人が多いなあ。でも、人集めにはよさそうだ。」
 と呟きながら、中央にあるステージ台に飛び乗り、
「バスケットをやってくれないか?」
 と叫んだ。
 だが、楽しく話しているみんなの耳には届かなかった。
 イエクラは心底落ち込んだ。
「みんな楽しそうだな。俺がいても邪魔かな〜…」
 諦めて帰ろうと出口に向かうと、「ドン!」
 向かいから誰かがぶつかってきた。
 「っく?何だ!」
 ひるみながらも迎撃に入ったイエクラに、答えずなおも攻撃するその男。
 イエクラはそれをかわし、「ドンッ」その腕を掴んで背負い投げた。
「駿河。バレバレだよ。」
「ちぇっ…」
 いきなり仕掛けてきたのは、イエクラの子供時代の親友でありライバルの
 駿河 達治(するが たつじ)だった。
「何なんだよ急に突っ込んできて。」
とは言うが、別に慌ててもいないイエクラ。
 おそらく、お決まりのパターンなのだろう。
「いや、お前がバスケやるって騒いでたからよ。」
「う…外まで聞こえてたか。」
「ま、それはいいんだけど。」「いいのかよ…」
「お前、本気でバスケやんのか?」
「あ、ああ…それがどうした?」
「いや、ライバルが増えるな、と思ったからよ。」
「!まさか・・・」
 驚きを隠せないイエクラの言葉に答えるように、
 駿河は大会のチラシを見せた。
 それを目にした瞬間、イエクラの中に強い闘争心が燃え上がった。
「まあ、せいぜいがんばれよ。」
「!ま…待て!」
 駿河は取り合わず歩いていき、建物の影に消えた。
「くそ…」
  その帰り道、イエクラはりんごジュースを飲みすぎて、気分悪く帰っていた。
「う……っぷ」「ドサ…」
 イエクラはアイアンアップルもろとも倒れこんでしまった。
 そこへ、シルバーのポルシェが走ってきた。
 そしてイエクラの前で止まり、車から降り大急ぎでかけてきた。
「大丈夫ですか!」「う…う〜ん」
 あいまいな答えをすると、その男はすぐさま車から箱を持ってきた。
 そして一呼吸おいて、イエクラの腹を思いっきり押した!
「ぐひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「しっかりしろ!もう少しだ!」
 3分後…
「げほ…」 「ハァハァ…」
「た…助かったよ…」
「…良かった…」
「君はバスケをやるんだね。ファンクラブの近くで聞いたよ。」
「…なるほど…」
「よし、ここであったのも何かの縁。手伝うよ。」
「え?やった、ありがとう!」
 こうして医師の島陸を仲間にした。
 
 2話fin

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