クラッシュ・バンディクー劇場版 「天国旅行と血の池地獄」




シグさん作

 クラッシュはいつも対決ばかりで忙しい。のんびりバカンスを楽しむ日も少ない。たまにはどこかへ行きたい。クラッシュはそう思った。しかし今はクランチと共にタスマニア島を観光に来た中学生「歩美」「海(かい)」「平八」の3人を案内しているため、何処に行くかも決めていない。(ココはクラッシュの家でアクアクと一緒にいろいろな本を読んでいる。)森の中を案内していたとき,大きな紫の馬車があった。なんだろうと思い,クラッシュは近づいた。馬車の窓の上に看板があった。『グリップの店』と書いてある。馬車の中から一人の男が出てきた。
「やあ、こんにちは。ココはグリップの薬屋だよ。よかったら見てらっしゃい。本日はサービスで無料にしときますよ。なんと、今なら旅行に行きたい方に丁度いい薬があるんですよ!」
クラッシュ「(旅行に行きたい方に丁度いい薬?)何,それ・・・」
グリップ「まあ、中に入んなさい」クラッシュ達は馬車の中へ入った。中は薄暗く,赤い絨毯に冷たそうなテーブルとイスがあった。
グリップ「さあ、これをお飲み。これを飲むと一週間だけ,天国に行くことができるんですよ」
クランチ「え!?」
歩美「ちょっと、これって、毒?」
グリップ「いやいやいや。これを飲めば,夢の中で一週間旅行にいけるのです。一週間したらまた元に戻れますぞよ。とてもすばらしい世界でした。夢の中なのに,天国のお土産を手に入りますし,さらに・・・」
海「いい加減にしろよ!そんなの嘘に決まってる!!」
グリップ「おやおや。逃げる気で?もし本当だったら,どうしますか・・・」
平八「・・・」
クラッシュ「分かった。飲もう!」
クランチ「え!おい、やめておけ、罠だ!」
クラッシュ「日本の10円を入れてみたけど何も反応しなかったよ」
歩美「ほんとだわ」歩美もやってみた。
クランチ「じゃあ、飲んでみるか・・・」
海「・・・・・・まあ、違っても味がするだけの飲み物だ。大丈夫だろう,多分・・・」
5人はいっせいにそれを飲んだ。とてもまずく,飲んだとたん、気を失ってしまった・・・・・・そして・・・  目が覚めたかと思うと辺りはとてもきれいな川や花畑がある,すばらしい光景が見えた。
クラッシュ「ここが・・・天国・・・」
クランチ「おいおい、本当に俺たち,逝っちまったのか?」
歩美「私,死にたくない・・・」
クランチ「だ,大丈夫だって。一週間だけなんだろ。俺たち,一週間したら帰れるし・・・」
海「本当なのだろうか・・・」
「本当ですとも」別の声がした。そこには赤い髪の翼が生えた人が立っていた。後ろにも翼の生えた男が立っていた。
平八「あ、貴方は・・・」
「私は大天使エンヂェラーといいます。書くときは「ち」に濁点をつけてエンヂェラーと書きます。ここ、天国を旅行する方をご案内するものです」
クラッシュ「へ、へえ。で,本当に一週間なのですか?」
エンヂェラー「はい。中には一週間だけなのが悲しいと思った方が何人もいました。さて,早速ですので,まずはご馳走をプレゼントいたしましょう。ゴーン」
ゴーン「はい」ゴーンと呼ばれた天使がテーブルを用意し,たくさんの豪華な食事が用意された。
ゴーン「どうぞ,お召し上がりください。もちろんただでございます」
クランチ「ほ,ほんとうにいいのか?」
エンヂェラー「もちろんですとも!」
 5人はテーブルにつき,早速その料理を口にした。どれもおいしく,たくさん食べたいものばかりだった。好きなだけ食べてもいいとエンヂェラーは言った。
エンヂェラー「どうですか?」
歩美「とってもおいしいです!こんな豪華な食事,初めてです!」
エンヂェラー「それはよかったですねぇ」
クラッシュ「ココも連れてくればよかったなぁ」
 こんな旅行,誰にでもできるわけが無かった。そしてあんな策略,誰にでもできるわけではなかった・・・ エンヂェラー「お食事はいかがでしたか?」エンヂェラーが聞いた。
平八「おいしいです!最高でした・・・」
ゴーン「それはよかったですね。ではお次に・・・」
エンヂェラー「天国を探検してみてはどうですか。空でも飛びながら・・・」
歩美「え?」突然5人の体が宙に浮き出してきた。
エンヂェラー「さあ,お好きなところへどうぞ。10分したら戻ってきてくださいね。次のイベントを用意しておきますから・・・」
クラッシュ「こ、これはすごいや!」クラッシュは飛び方を考えて高いところへ行った。クラッシュは天国を飛びながら探検。他の4人もバラバラに飛ぶ。花畑や川が美しく輝き,表札にエンヂェラーとゴーンと書いてた家があった。天国はこんなに美しいのか,とクラッシュは思った。しかし自分が想像した天国と違い,何故か火山や洞窟があったが,クラッシュは気にせず飛び回った。隣に歩美が飛んでいた。歩美は明るい笑顔を浮かべて自由に飛び回っている。天国の楽しさはこれだけでも十分楽しかった。まだまだ楽しいイベントを用意してくれそう,たった一週間しかいられないのがもったいないくらい,みんなそう思っていた。
 いつも対決ばかりのクラッシュ。こんな旅行ができるとは思ってもいなかった。またいつでもいたい。楽しみたい・・・・・・

 丁度十分がたち,クラッシュ達は帰ってきた。エンヂェラーが天国のお土産を売っていた。しかも今週はどれもただだと言う。宝石,天国饅頭,7色に輝く風船,水を入れれば自分の一番好きなジュースに変わる水筒とどれもすばらしいものばかりだった。タダなのに,歩美達はわざわざお金を払って持っていった。何でもできるこの天国の旅行も何時の間にか2日が過ぎていった・・・
 ―クラッシュの家―
辺りはコルテックス,エヌ・ジン,エヌ・トロピー,タイニータイガー,ディンゴダイルに囲まれていた。ココとアクアクが外に出る。
ココ「貴方たち一体何の様なの!?」
コルテックス「ぐわははは!貴様らに用は無い!クラッシュを出せ!今度こそ決着をつけてやるのだ!」
アクアク「クラッシュはここにはおらんよ」アクアクが言った。
コルテックス「まあそれもそうか!今クラッシュはこの世にはこの世にはいないからな!」
ココ「え?それ、どういうこと・・・」
コルテックス「(この辺にグリップの薬屋が来たってことはクラッシュは今ごろ天国を旅行しているはずだ!)」
コルテックス「答える気は無い!貴様だけでも始末してやる!」
ココ「・・・5人を相手にするのはちょっときついわね・・・」
エヌ・ジン「馬鹿め。我々5人だけではないわ!」
ココ「え!?」コルテックス達の後ろにさまざまな作業員や研究員が数え切れないくらいいる。たくさんの部下がクラッシュの家全体を囲んでいる。逃げ場は無い!
コルテックス「どうだ!これだけたくさんの部下をたった一人で倒すことができるのか!?」
ココ「(アクアク,お兄ちゃん達を探してきて!この戦いは私一人で何とかするから・・・)」
アクアク「(わ、分かった!幸運を祈る・・・)」アクアクは高く飛び,クラッシュ達を探した。
コルテックス「ワシらの200人の部下にその主力であるワシら5人を合わせた最強のチームを,たった一人で逃れられるものか!かかれぇ!!」たくさんの部下がチーム別に分かれてココに向かって大声を上げてこっちにくる。ココは必死に空手キックや足払いで敵を倒しながら攻撃を避けつづける。すべての攻撃をかわすことはとてもできない。自分の体力の問題を考えながら敵のチームを次々と崩してゆく。だが,数はちっとも減らない。倒してもまた立ち上がってかかってくる敵もいた。
コルテックス「無駄だ。一人一人訓練をつんで,うたれづよくなったんだ。そう簡単に負けを認めはせぬ」コルテックスはニヤリと笑った。
 ココは敵の攻撃を受けながらも敵を倒してゆく。しかしなかなか倒せないてきが半分以上いる。タイニータイガーやエヌ・トロピーも攻撃を仕掛けてくる。ココはまだ3分の一も敵を倒していないのに体力が半減してきた。目がかすんで見える。
ココ「(助けて・・・おにいちゃん・・・・・・)」ココはあきらめようと思ったその時,僅かに車の走る音が聞こえた。音は少しずつ大きくなる。
ココ「(何・・・?)」

 ―天国―
クラッシュ達はココが危険な状態だと言うことも知らずにのんびりと天国で楽しんでいた。お土産の饅頭がとてもおいしく,宝石が眩しく輝いている。
エンヂェラー「どうです?天国のすごいところはこれだけではございません。ココ,天国では不思議な力が貴方たちにあふれているのです。空を飛べたり,足が速くなったり,強くなったり・・・試して見ますか?」
クランチ「あ,ああ・・・」クランチがそこらへんにある岩を殴りつけた。岩は力を入れたわけでもないのに崩れた。平八が100b走をしてみると,なんと11秒56と言う記録が出た。
エンヂェラー「どうですか,すごいでしょう,他にもモテモテになれるとか有名になれるとか,そういうこともここ、天国では可能なのです。もちろん,ここしかこの力は使えませんが・・・」
クラッシュ「この力が現実世界にも使えたらいいな・・・」
エンヂェラー「現実世界でその力を使える方法がありますよ」
海「え?」
エンヂェラー「しかしそれはとても厳しい修行をしなければなりません。貴方たちにできるでしょうか・・・」
クラッシュ「できる!どんなに地獄に近い修行でも,乗り越えてみせる!」
クランチ「お、おい,大丈夫なのか?」
クラッシュ「ああ。必ず超えてみせる!」
エンヂェラー「・・・・・・。いいでしょう。それでは第一の修行スタート!!」突然クラッシュ達は地面にひきつけられた。
平八「な、何だ!?」
エンヂェラー「地面の重力を5倍にしたのです。そのまま50メートル先の所へ歩いてきなさい」クラッシュ達は必死で立ち上がり,歩き始めた。
クラッシュ「(ぐっ!これはきつい・・・!)」1日ががたち,ようやく全員が50メートル歩ききった。(※眠気や空腹などのことはここでは一切感じない。途中で休憩も可能。)
エンヂェラー「それでは今度は10倍の重力に変わります。残りの50メートルを歩きなさい」
歩美「何ですって!?」地面にひきつけられる力が大きくなり,中学生3人が倒れた。クラッシュとクランチはそれでも立ちつづけ,花畑の道を歩きつづける。5人はさっきの2倍,3倍も頑張りつづけ,1日半でようやくクリアした。
歩美「ハァ・・・ハァ・・・疲れたわ・・・」
クラッシュ「と、とにかく・・・クリアした・・これで不思議な力を手に・・・」
ゴーン「入れれないだろうね」
クラッシュ達「何ィーーー!!?」
ゴーン「だって修行はまだあるんだから」
クランチ「何!?」 エンヂェラー「では次に水泳を行います」
歩美「え,プールがあるんですか?」
エンヂェラー「いえ,三途の川で泳ぐのです」
クラッシュ「は!?」
エンヂェラー「三途の川で泳ぐことで不思議な力をさらに強めることが可能です。まず流れる川と逆の方向を25メートル泳げばクリアです。なお,ゴーンも参加させておりまして,一人でもゴーンより早くゴールするようにしましょう」
クラッシュ「何だ。簡単じゃないか・・・」

 クラッシュ達は三途の川に近づいた。
クランチ「・・・本当に入れるのか?」
エンヂェラー「はい。怖がることなんて何もありません・・・」
海「じゃ,じゃあ・・・」5人は川へ飛び込んだ。そのあとでゴーンが入った。
エンヂェラー「それでは,スタート!!」
 6人がクロールで泳ぎ始めた。流れが少し強い川を泳ぎつづけ,1位が歩美,2位がゴーン,3位クラッシュ,4位海,5位クランチ,6位平八となって10b泳いだ。
平八「(泳ぐのは得意じゃないんだよな・・・ん?)」平八の後ろに魚が2匹いた。魚は平八を噛もうとした。
平八「(――ッ!!ピラニアだ!!)」平八は全速力で泳ぎつづけた。
平八「逃げろ!!・・・ピラニアだ!!」息継ぎをしながら平八は叫んだ。
クラッシュ「(何ッ!?何で川にピラニアが!?みんな,急げ!!)」全員が全速力で泳ぎつづける。歩美とゴーンが殆ど同じ位置にいる。クラッシュはそれを追いつづける。すると今度は大きなものが近づいてきた。ノコギリザメだ!!鮫が猛スピードで6人を追いかけてくる!!全員がさらにスピードを上げた。しかし鮫は平八のすぐ後ろまで来て口をあけて噛み付こうとした。
平八「う、うわ、うわああああ!!」クラッシュが逆方向に泳ぎ,鮫に近づいた。
クラッシュ「スピンアタック!!」クラッシュは鮫を斜めから攻撃し,吹き飛ばした。
平八「あ,ありが・・・とう・・・」
クラッシュ「(例なんていいよ。歩美,頼んだぞ!)」
 歩美とゴーンがゴールまであと僅かのところまで来ていた。ゴーンが1位になろうとしたとたん,歩美が本気を出してゴーンを越し,ゴールした。第2の修行クリアだ!!

 ―1時間後―
歩美「どういうことですか!?何で三途の川に鮫やピラニアがいるんですか!!」
ゴーン「すまん。俺のペットでね・・・」
歩美「もう,平八君が殺されるところだったのよ!心配して素直に助けに行くところだったわ!今度から気をつけて・・・」
ゴーン「・・・・・・」
エンヂェラー「まあ,ピラニアの方はスピードが上がっただけマシなほうじゃ・・・それに,三途の川に入ったから力が湧いてくるはずだよ,ね?だから落ち着いて・・・」
クラッシュ「・・・・・・」その時ゴゴゴゴゴと大きな音がした。
歩美「何!?」
エンヂェラー「危ない!君たちはここで待っていなさい!」エンヂェラーは一人でどこかへ行ってしまった。
クラッシュ「・・・・・・」クラッシュはあとを飛行能力を使って追う。
クランチ「あ,おい!君たちはここで待っててくれ!!」クランチもエンヂェラーを追ってゆく。
歩美「・・・・・・・・・」3人はクラッシュ達のほうを黙ってみていた。
???「・・・・・・」陰で潜んでいる男がその3人を見た。

 クラッシュが見たあの火山が大噴火している。溶岩がどろどろ流れてくる。
エンヂェラー「なんと言うことだ!早くなんとかせねば!!」すると岩がとんでエンヂェラーの方へ落ちてくる。
エンヂェラー「クッ!!」エンヂェラーはそれを矢で撃ち,破壊した
エンヂェラー「これは・・・厄介だな・・・」その時誰かの声がした。
「おーーーい!!」エンヂェラーは声が聞こえた方を振り向いた。クラッシュだ!クランチもいる。
エンヂェラー「君達,待っててといったじゃないか!」
クラッシュ「善人が危険なめにあっているのにそんなこと,できないよ」
エンヂェラー「あの噴火から流れる溶岩はあっという間にあの三途の川が冷やしてくれる。問題はとんでくる岩のほうだ・・・」
クランチ「なら,俺たちが壊せばいいんだ!」
クラッシュ「手伝うぜ!」
エンヂェラー「・・・君達・・・」
クラッシュ「行くぞ!!」  溶岩がたくさんクラッシュのほうへ降ってくる。クラッシュはスピンアタックでそれを壊す。エンヂェラーはショットガンで撃ち,岩を破壊する。クランチも岩を壊しつづける。そして・・・

 ―グリップの店―
グリップ「今ごろ天国で楽しんでいるでしょうねぇ。その間,ちょっと散歩にでも行きますか・・・」グリップは紫色の馬車から降り,何処かへ行ってしまった。
 そのあとで反対側からアクアクが来た。
アクアク「なんじゃあれは・・・」アクアクは紫の馬車の中へ入った。クラッシュとクランチ,中学生3人が横に倒れている。アクアクは驚いて生きているかどうか調べた。生きてはいるがどうしたのか,全然おきない。
アクアク「どうなっておるんじゃ・・・ン?」アクアクは天国へいける赤い薬を見つけた。
アクアク「こ,これは・・・まさか!?」

 ―天国(5日目)―
丁度噴火が収まり,普通の天国に戻った。しかし溶岩のせいで花畑の一部がなくなってしまった。
エンヂェラー「た,助かりました。有り難うございます」
クラッシュ「別にいいですよ」
エンヂェラー「実はこれも修行の一つだったんですが,危険なので私で何とかするつもりだったのですが・・・まさか貴方たちがこんなに強いとは思いもしませんでした・・・そ,それでは次のイベントを用意しておきますので,元の場所へ一度戻るようお願いいたします・・・」
クラッシュ「あ,分かりました・・・」

 クラッシュ達が戻った場所には歩美達がいなかった。
クラッシュ「あれ?みんなは・・・?」
クランチ「散歩にでもいったんだろ。すぐに戻ってくるさ。次のイベントが楽しみだな〜♪」
クラッシュ「・・・・・・」
アクアク「お〜〜い!クラッシュ〜!!」
クラッシュ「――ッ!?」アクアクが現れた。
クラッシュ「アクアク,どうしてここに・・・」
アクアク「話はあとじゃ!今すぐここから出るんじゃ!!」
クランチ「は!?何言ってんだ・・・」
アクアク「この場所は危険じゃ!それにココが・・・」すると突然銃の弾がアクアクに当たった。
アクアク「なっ!!」アクアクが倒れた。後ろにエンヂェラーがいた。
エンヂェラー「全く・・・天国を馬鹿にしないでほしいな・・・あと2日も楽しみがあるのに追い出そうとするなんて・・・」
クラッシュ「エン・・・ヂェラー?」
エンヂェラー「貴方の仲間がさっき地獄へ続く恐ろしい洞窟に入ってしまいました。このままだとあの3人が地獄へ行ってしまいます・・・何とかなりませんか?」
クラッシュ「え?まあ、いいですけど・・・」
エンヂェラー「それができましたら,パーティをしましょう。楽しみにしててください。洞窟はここから東です」
クランチ「わ,分かった・・・」2人は急いで洞窟のほうへ行った。
アクアク「いっ・・ては・・・ならぬ・・・クラ・・・ッ・・・シュ・・・・・・」

 ―クラッシュの家―
あきらめかけているココが再び敵と戦う。行くところまで行くつもりで必死に戦いつづける。20体ほどの敵が倒れたが数は殆ど減っていない。コルテックスも攻撃してくる。しばらくすると聞こえてきた音が車の音だとわかってきた。車の音はだんだん大きくなる。
コルテックス「何だ?」木々の向こうから2台の車がはしってきた。敵は次々に車に轢かれてゆく。車に乗っているのはポーラとプーラだ!
 ポーラとプーラが30体ほどの敵を倒す。そのあとプーラがココの前に来た。
プーラ「ココ,助けにきましたですにゃ!」プーラはそういって再び敵を攻撃する。するとコルテックスが光線銃でポーラの車を撃ち,車を壊した。
ポーラ「――ッ!?」ポーラは車から落ちた。
コルテックス「ぐわははは!どうだ!!」すると背後から大きな影が近づいてくるのに気づいた。コルテックスが振り向くとパパグマが大声でほえて攻撃してきた。
コルテックス「ギャアア!!」
パパグマ「うちのポーラをいじめる奴は許さーん!!」パパグマがたくさんいる敵に突進する。ポーラが復活する。
プーラ「さあ,みんなで一斉攻撃だ!」
ココ「・・・ええ!」

 その決闘は2時間も続き,ようやく撃たれづよい部下からコルテックス達全員を倒すことができた。
コルテックス「ぐふ・・・くそぉ・・・今度こそ・・・貴様らを倒せると・・・思ったのに・・・」
ココ「・・・・・・」
コルテックス「どうした・・・とどめはささないのか・・・」
ココ「・・・ええ。それより聞かせて。おにいちゃんがこの世にいないって・・・どういうことなのか・・・」
コルテックス「・・・・・・このタスマニア島にグリップと言う薬屋が来た。そいつは1週間の間天国に行くことができると言う薬をもってな・・・クラッシュ達はそれを飲んで,天国を旅行しているのさ・・・」
ココ「え・・・?」
コルテックス「天国はこの世で1日たつと向こうでは1週間が経っていることになる。だからすぐ戻ってくるはずさ・・・ただ・・・・・・」
ココ「・・・・・・?」
コルテックス「・・・・・・」

 ―天国 地獄へ続く洞窟―
クラッシュ「歩美達・・・どうしてこんな洞窟の中に・・・」
クランチ「・・・・・・ここ,地獄へ続くんだよな・・・」
クラッシュ「ああ。エンヂェラーがそういってたし・・・」
クランチ「・・・・・・妙だな・・・」
クラッシュ「・・・?」
 辺りは薄暗く,じめじめして気味が悪い。辺りを見ながら進み,看板と分かれ道を発見する。看板に左,地獄と書いてある。クラッシュ達は右のほうへ進んだ。先はさらに薄暗く,湿っている。しばらく進むと一人の子供らしき人が見せた。目がなれてきて,見えてきたのは歩美だった。
クラッシュ「歩美・・・!よかった。無事だったみたいだね」
歩美「・・・・・・ええ」
クランチ「他の2人は?」
歩美「・・・・・・外」
クラッシュ「外,この洞窟にはいないのか。じゃあ急ごう!エンヂェラーがパーティをひらいてくれるみたいだから・・・」
歩美「・・・ええ・・・」クラッシュとクランチは先に行った。すると・・・
 ドガーン!! 歩美がバズーカ方を撃ってクラッシュのすぐ横を破壊した。
クラッシュ「――ッ!?」
歩美「悪いけど・・・あんたたちにはここで死んでもらうよ・・・」
クランチ「何ッ!?」歩美の姿が変わり,ゴーンの姿になった。
ゴーン「3人は外だ。俺が血の池地獄の中に閉じ込めている」
クラッシュ「・・・・・・」
ゴーン「俺の使命は貴様らを二度と元の世界へ帰れなくなるよう,ここで本当に死んでもらうことだ!」
クランチ「何だと!」
クラッシュ「どういうことだ!」
ゴーン「俺を倒して,外に行けば分かるさ・・・」
クラッシュ「何!?」 ゴーン「くらえ!」ゴーンがバズーカ砲を撃った。クラッシュはすばやくかわす。そこへクランチがゴーンを殴り倒した。1撃でゴーンを倒した。
クランチ「あっけないな。行くぞ!クラッシュ!」
クラッシュ「あ,ああ・・・」すると突然矢が飛んできてクランチに当たった。クランチが倒れると矢があっという間に消えた。
クラッシュ「クランチ?」するとクランチの体が勝手に浮き出し,洞窟の外へ動き出す。
クラッシュ「何だ!?」クラッシュはクランチを追いかけた。

 外に出ると火山がすぐ近くにあり,クランチはその陰のほうへ行った。クラッシュが追いかけようとするとエンヂェラーが現れた。
クラッシュ「大天使エンヂェラー!」
エンヂェラー「何があったのです?」
クラッシュ「歩美達を探してたらゴーンが襲ってきて・・・クランチがそれを倒して・・・突然クランチが倒れてその火山の陰に・・・」
エンヂェラー「そう・・・ですか・・・」
クラッシュ「・・・・・・?」
エンヂェラー「行きなさい。仲間のところへ・・・」
クラッシュ「・・・」クラッシュがエンヂェラーの立っている先を進むと奇妙な光景が目に入った。そこには赤い立体の液体のようなものが宙に浮かんでいた。中に歩美達やクランチがいる!
クラッシュ「何だあれは!?」
エンヂェラー「血の池地獄・・・そういってもいいでしょうね・・・」エンヂェラーの目の色が赤色に変わる。
クラッシュ「何!?」
エンヂェラー「あんたは特別,私が殺して差し上げましょう・・・」辺り一面が赤色に染まる。花畑も,川も,空も・・・川にはいろんな肉食魚がたくさんいる。
クラッシュ「こ・・・これは・・・?」
エンヂェラー「まだ分からないのですか?・・・全く・・・」
エンヂェラー「ここは本当は天国ではなく,地獄なのです」
クラッシュ「――ッ!?」

 ―グリップの店―
グリップ「くくく・・・こうも簡単にクラッシュが殺せるとは・・・」グリップが不気味に笑う。するとドアが開き,ココとコルテックス達が現れた。
グリップ「な,何だ!?」ココはグリップに空手キックで攻撃した。
グリップ「えぶっ!!」グリップが吹き飛び,壁にぶつかる。さらにコルテックスが光線中でグリップを撃って倒した。
コルテックス「よし,行くぞ」
ココ「・・・・・・」

 ―10分前―
コルテックス「ただ・・・・・・クラッシュが本当に戻れるのならな・・・」
ココ「え?」
コルテックス「グリップの狙いはクラッシュの暗殺。しかもただ殺させるわけではない。天国にいける薬と言って本当はあいつが作った地獄の世界に行く薬を飲ませ,天国と偽って少しずつクラッシュ達を苦しませ,最後には殺されるかもしれないのだ・・・」
ココ「え!?」
コルテックス「急いだほうがいい・・・クラッシュが殺される。偽の天国で・・・本当に死んでしまう・・・」

 ―偽の天国―
クラッシュ「地獄・・・だと!?」
エンヂェラー「ええ。そして私は地獄の使者。貴方に地獄を与えることです。ここで死ねば,お前は本当に死ぬ!罪を犯したことを悔いるがよい!」
クラッシュ「待ってくれ!みんな,何も悪いことはしていない!」
エンヂェラー「最初は誰でもそういうだろう。罪から逃れるために!」エンヂェラーはショットガンでクラッシュを撃った。
クラッシュ「うッ!!」
エンヂェラー「おかしいと思ったはずだ。三途の川にピラニアや鮫がいるってことが。火山があったってこと,俺たちしか天使がいなかったってがな!」
クラッシュ「・・・・・・」
エンヂェラー「この世界すべてが今,赤色に染まっている。絶望をあらわしているようなもんだ。ここには俺とお前しかいない。助けもこない。血の池地獄で仲間はもうじき死ぬ!さあ,どうする?俺と戦うか?死ぬか?どっちを選ぶ!?どっちも死ぬほうだけどな!!うはははは!!」
クラッシュ「・・・・・・許さねぇ・・・」
クラッシュ「許さねぇーー!!」クラッシュはエンヂェラーに向かって走り出した。
エンヂェラー「やはりそうきたか!それでこそやりがいがある!」エンヂェラーが銃を撃った。クラッシュはふせてかわした。しかし銃の弾は途中で止まって向きを変えた。
クラッシュ「な!?」弾はそのままクラッシュに向かってスピードを上げてこっちに来た。再びかわすが再び弾は向きを変えて向かってくる。
エンヂェラー「誘導式だ。もう一発ある」  エンヂェラーは銃をはなった。2発の弾がクラッシュを追いかけてくる。
クラッシュ「くっ!」2発の弾がクラッシュのすぐ近くで爆発した。
クラッシュ「ぐあああぁッ!!」
エンヂェラー「どうだ!苦しいだろ!この痛みがずっと続くのだ!血の池地獄の中にいる仲間はもう死んでいるのだ!その事実はずっと変わらぬまま,お前も死ぬ・・・」
クラッシュ「ぐっ・・・何・・・だと?」
エンヂェラー「貴様には特別地獄の恐ろしさを味あわせてやる。1発目くらえ!」エンヂェラーは銃を撃った。弾はクラッシュに当たったが貫通はせず,強い痛みが加わった。
クラッシュ「ぐあ!」
エンヂェラー「2発目!」エンヂェラーが再びクラッシュを撃つ。
クラッシュ「ウッ!!」クラッシュは痛みのあまりに膝をついた。
エンヂェラー「次!3発目!!」エンヂェラーがクラッシュをまた撃つ。
クラッシュ「アアアァッ!!」クラッシュは倒れた。
エンヂェラー「さあ,とどめの4発目を・・・」エンヂェラ−は弾を入れ替えた。すると突然青いビームがエンヂェラーを攻撃した。エンヂェラーはよろめき,ビームがきた方向を見た。
エンヂェラー「クッ!何者だ!!」そこにいたのはアクアクだった。
アクアク「エンヂェラー!クラッシュ達は絶対に死なせない!」
エンヂェラー「何ィ!」
クラッシュ「・・・アクアク・・・・・・」
エンヂェラー「小癪な!」エンヂェラーはアクアクに向けて銃を撃った。アクアクはすばやくかわし,クラッシュのほうへ行く」
アクアク「さあ,洞窟の中へ逃げるんじゃ!」
クラッシュ「で,でも・・・」
アクアク「いいから早く!」
エンヂェラー「逃がすか!」エンヂェラーは銃を構えた。アクアクはビームで再びエンヂェラーを攻撃した後でクラッシュをつれて洞窟のほうへ避難した。

 ―洞窟―
アクアク「大丈夫か?クラッシュ・・・」
クラッシュ「・・・うん。ごめん,アクアク。あの時ここから出ていれば,あんなことには・・・」
アクアク「言うな。そんなことを気にしてるときじゃない」
クラッシュ「でも!おいらのせいで,クランチが・・・みんなが!」
アクアク「よく聞くのじゃクラッシュ。クランチ達はまだ死んでいないのじゃ」
クラッシュ「・・・え?」
アクアク「グリップの薬は抑えることのできない罪人を裁くために作ったのじゃ。罪人があの血の池地獄に入れば数分で死ぬ。じゃが,クラッシュ,コルテックスを応援しているあいつはお前が気に食わなかった。そこであの薬をおぬしたちに飲ませ,殺すつもりだったな。普通の殺し方ではない,苦しいやりかたでな。しかしクランチ達は悪い奴じゃない。あの血の池地獄に入っても,すぐには死なないじゃろう・・・」
クラッシュ「・・・・・・」
アクアク「よく聞くのじゃ,クラッシュ。あと3時間でおぬしたちは帰れる。クランチ達をそれまでに助け出せばみんな助かる。これはグリップが作った命がけのゲームじゃ。仲間を助けるために,あの大天使エンヂェラーを倒すのじゃ!ワシがちゃんとついておるから」
クラッシュ「アクアク・・・」
アクアク「ここは地獄にも天国にも通じない洞窟。じゃがここにいたって何の意味もない。大天使エンヂェラーを必ず倒すのじゃ!お主は悪い奴じゃない。ここで死ぬ者じゃない!今でも生きて世界を救っている正義のヒーローじゃ!!」
クラッシュ「――ッ!!」
アクアク「急ぐのじゃ!クランチ達を助けるために!帰ったら,何処かリゾートに行こう!ココがそのための場所を探してくれたのじゃから」
クラッシュ「・・・分かった!」
 その時突然銃の弾が洞窟の入り口にあたり,爆発した。エンヂェラーの攻撃だ!ぶつかると爆発する特殊な弾で攻撃してきたのだ。次に2発目の弾が洞窟を破壊した。
エンヂェラー「隠れても無駄だ!確実に息の根を止めてやる!!」
 爆発の煙の中からクラッシュが現れ,エンヂェラーに近づいていく。
エンヂェラー「ようし!来たか!早速息の根を止めてやる!!」エンヂェラーは銃を構えて撃った。クラッシュは少し横に移動してかわす。エンヂェラーが再び銃を撃ってもすぐかわす。
クラッシュ「・・・・・・」
エンヂェラー「クッ!小癪な!誘導弾で必ず!」エンヂェラーは弾を変えて撃った。クラッシュはすぐかわすが弾は追って来て,クラッシュに当たった。
エンヂェラー「よーし!当たった!!・・・ん?」
 クラッシュは無傷だ。なんと,アクアクが守ってくれたのだ。クラッシュは思いっきり走り出した。
エンヂェラー「クッ!」エンヂェラーは銃を構えた。
 するとクラッシュがリンゴバズーカで先にエンヂェラーを撃った。  エンヂェラーはリンゴが当たってよろめき,クラッシュはその隙を狙ってスライディングで攻撃した。エンヂェラーが倒れる。
クラッシュ「どうだ!?」
エンヂェラー「フン!やってくれるな・・・」エンヂェラーは立ち上がった。
エンヂェラー「なら,これならどうだ!?」エンヂェラーは銃をクランチたちの方に向けて撃った。
クラッシュ「なっ!!」クラッシュはスピードシューズで全速力で走り,それをかばって爆発した。
クラッシュ「ぐあ!!」クラッシュは倒れそうになった。
エンヂェラー「フン。そんなに凶悪な罪人を守りたいのか。こんな悪党を守ってなんになる!?」
クラッシュ「だ・・・まれ・・・」
エンヂェラー「――ッ!?」
クラッシュ「みんな・・・悪い奴じゃない。みんな・・・仲間だ!悪党ではない,明るい存在である・・・仲間だ!!!」クラッシュはエンヂェラーに近づき,スピンアタックでエンヂェラーを攻撃した。
エンヂェラー「グハッ!!」エンヂェラーは吹き飛び,地面に激突した。
クラッシュ「ハァ・・・ハァ・・・」  クラッシュは膝をついた。エンヂェラーは倒れたまま銃の弾を空中に何十発も撃ちつづけた。何をやってるんだ?とクラッシュは思った。
アクアク「何をしている?これ以上このもの達を襲い続けるのなら本物の天国がお主を止めるために襲い掛かってくるぞ!」
エンヂェラー「フッ!何を馬鹿なことを言ってやがる・・・」エンヂェラーは立ち上がった。
エンヂェラー「こんな究極の罪人を殺すことを,天国のものが止めにくるかよ!グリップはどうしようもない罪人に最後の笑顔を与えさせて殺すように言われてきた。こんな苦労をして,今更こいつを殺すことをやめられるかよ!!」エンヂェラーは銃を構えた。即座にアクアクがビームを撃って攻撃した。
エンヂェラー「グッ!」エンヂェラーは膝を地面につけた。
クラッシュ「どうする?まだやるか?」
エンヂェラー「ああ。上を見てみろ」
クラッシュ「え?」クラッシュを赤い空を見た。
クラッシュ「なっ!?」赤い地獄のような空に,エンヂェラーが撃った100発ほどの銃の弾がドラゴンの形に並んでクラッシュに狙いを定めていた。
エンヂェラー「究極の罪人を殺すために特別用意したスペシャルな殺され方をたっぷり味わうがよい!!さあ,死ね!クラッシュ!!」エンヂェラーが銃の弾で作ったドラゴンを操り,クラッシュに向けて放った。100発分の弾がクラッシュに痛みを次々に与えてゆく。20発分でもう限界に近いのにたくさんの弾がクラッシュを攻撃する。
クラッシュ「――ッ!!!!!」長く続いた敵の攻撃が終わり,クラッシュは全身に激痛が走り,倒れた。
アクアク「クラッシュ!!」
クラッシュ「・・・・・・」
エンヂェラー「どうだ!死んだか!!ざまみろだ!この技を使うのは貴様がはじめてだからとても楽しかったぞ!うはははは!!」
クラッシュ「・・・・・・グッ・・・」クラッシュの手が少し動き出した。
エンヂェラー「・・・・・・?生きているようだな。だがもう動くことすらできまい・・・」
クラッシュ「・・・・・・くっ・・・」クラッシュは激痛で動けず,あきらめかけていた。すると天から妹ココの声が聞こえてきた。
ココ「(あきらめないで!お兄ちゃん!!)」
クラッシュ「・・・・・・コ・・・コ・・・・・・」
コルテックス「(貴様がこんなところでくたばったらただじゃおかんぞ,クラッシュ!!)」
クラッシュ「コル・・・テックス・・・」  ココやコルテックス以外にもさまざまな人物の声が聞こえる。
エヌ・トロピー「(あきらめずスタンダップ!立ってゲームを再開させましょう!)」
ディンゴダイル「(ココとコルテックス様がこの場所へ通じる通信機を作ってくれたんだ!)」
タイニータイガー「(俺たちは薬がなくなってるからそっちにいけないが応援してるぜ!!)」
ココ「(帰って今度はみんなで何処かリゾートに行きましょう!!)」
コルテックス「(クラッシュ!ワシらを倒せたお前ならそいつを倒せるはずだ!)」
みんな「(絶対にあきらめては駄目だ!!)」
クラッシュ「・・・・・・みん・・・な・・・」クラッシュが激痛を我慢し,立ち上がった。そして歩くのもつらいのにフラフラ歩きつづける。
エンヂェラー「なっ!何だと!!」
クラッシュ「エン・・・ヂェラー・・・お前を・・・必ず・・・倒す!!」
エンヂェラー「ええい!瀕死の奴に何ができる!今すぐとどめをさしてやる!」すると突然エンヂェラーが何かで斬りつけられ,出血した。
エンヂェラー「・・・なっ・・・何!?」エンヂェラーが銃を落とし,吐血する。
アクアク「悪党以外の人たちを殺そうとするから・・・本当に天国の人が止めに来たようじゃな・・・」
エンヂェラー「ふ・・・ざけるな・・・」エンヂェラーは拳を強く握り締めた。
エンヂェラー「ふざけるなぁ!!」エンヂェラーはアクアクを殴ろうとした。その時クラッシュがエンヂェラーの前にまで来ていたことに気づいた。
クラッシュ「スピンアターーーーッック!!!!」
ドガッ!!!
エンヂェラー「ぐわああああああああッッッ!!!!!」エンヂェラーが思い切り吹っ飛んだ。 (「ねえ,たまには何処かに行きたいと思ってない?」
「う〜ん・・・あるけど,どうして?」
ココ「今度ね,タスマニア島を観光しにくる人たちを案内させ終わったら,何処かリゾートにいける場所に行くつもりなんだけど,どうかしら?」
クラッシュ「いいね!最近何処にも行ってないから・・・」
ココ「じゃあ,何処に行くか考えておくね!だからそれまで,怪我とかしないでね!」ココは笑顔でそう言った・・・)

 ―あの時クランチが妙だなって言ってたのは、地獄に通じる洞窟があるのが変だと思ってたのか,すでにあそこが地獄だったと思ってたらかもしれない。アクアクの警告で,クランチも気づきかけてたのかもしれない。あんな薬,飲もうなんていったせいで,みんなが大変な目にあってしまった・・・―

 目を覚ますとクラッシュは浜辺に横になっていた。海の水がかかってとても冷たい。今は朝のようだ。空がとても青く輝いている。しかし,立ち上がろうとすれば,猛烈な痛みが全身に伝わり,動けなかった。横を見るとココが治療道具を持ってこっちに来た。
ココ「あ,お兄ちゃん!よかった・・・無事だったみたいね・・・」
クラッシュ「ココ・・・みんなは・・・?」
ココ「お兄ちゃんのおかげでみんな助かったわ。コルテックス達がグリップの店を壊しているから,なかなか起きないお兄ちゃんだけ,こっちに移したのよ」
クラッシュ「・・・よかった・・・みんな,無事なんだ・・・」
ココ「あ,ほら,みんな来たわよ」
クラッシュ「え?」
 クランチ,歩美,海,平八がこっちに走ってきた。全員無傷で,とても元気に走っている。
クランチ「クラッシュ!大丈夫か!?」
歩美「私達,とても長い夢をみていた気がするのよ・・・それと・・・」
海「俺達,なんだかクラッシュに助けられたような気も,するんだ。なんだかよく分からないけど・・・」
平八「ありがとう・・・」
クラッシュ「・・・・・・みんな」
クランチ「タスマニア島の観光の続きは俺がやるからクラッシュは休んでいてくれ!じゃあな!」クランチが先頭に,歩美達が走っていった。
 次から,本当のリゾートができる。危険の無い,そして,思い出に残る,とても楽しいリゾートが・・・

 ―天国旅行と血の池地獄 完―

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