タスマニアンウォーズ


ランページさん作

第三話 コモド兄弟参上!タイラントの逆襲!

〜竜牙泊〜
師匠や弟子達はちょうど食事を終えたところであった。
一同「ご馳走様!」
ミリアン「おそまつさまですわ!」
クランチ「サラダもみんな食べたようだな・・・」
ミリアンは台所で食器を洗っていた。
ココ「私も手伝う?」
ミリアン「大丈夫ですわよ。これも自分は修行のひとつと考えてますから・・・」
ココ「それでもあんなに多い食器を全部一人で洗うのは大変そうだわ。」
と、その時だった。
???「ただいまじゃあ!ミリアン〜!!なにしょんなぁ?!」
ミリアン「お帰りですわ!今食器洗いをしてるんです。」
ココ「誰・・・あの柄の悪い人(ワニ)は・・・」
ミリアン「彼もこの道場の師匠の一人ですわよ。」
ココ「ええっ?!」
???「あんたぁー誰じゃ?!名を言ってくれへんかぁ?!この道場では見ぬ顔じゃけえな・・・」
ココ「・・・わ・・・私は・・・ココ・バンディクーです・・・」
ココは怯えていた。柄の悪い師匠を前に・・・
???「おおすまへんな・・・ついついワシの癖でいびせえ喋り方をしてすまへんのぅ・・・ワシの名は『ギュスター・クロコダイル』じゃ。よろしくなぁ!」
ココ「よろしく・・・お願いします・・・」
ランデュリウス「おお!帰ってきたのか!私の弟子よ!おお・・・これこれ・・・ココが怯えてるではないか・・・もっと普通に喋らんか・・・」
ギュスター「すまへん・・・ランデュリウス師匠殿・・・」
ランデュリウス「という訳でな。彼は元々私の弟子であったのだ。弟子だった頃はかなりの問題児だった・・・血気盛んで喧嘩っ早いわ、自分より弱いと分かっているのにもかかわらず喧嘩を売ってきたタスマニアンデビルの不良を本気で殴って死亡寸前までにするわ、修行をサボってどこかへ行くわで困った弟子だった・・・じゃが今では立派な師匠だ・・・まだ弟子だった頃の名残で性格は豪快だがな!ハッハッハッハ!」
ギュスター「ちょっ!やめてくださいよ!恥ずかしいじゃないすか!ワシの恥ずかしい過去を話さないでくださいよ!」
ランデュリウス「別に話してもいいだろう!」
ココ「柄は悪くても中身は優しいのね・・・」
ミリアン「それはそうですわよ!ギュスターさんは見た目は怖いけど心は優しいんですもの!」
アクアク「あのギュスターとかいう者もなかなか豪快だぞい・・・」
カイル「あ、久しぶりです!ギュスター師匠!」
ギュスター「久しぶりじゃあ!カイル!お前も修行はしてるんか?!ここの師匠みたいに強くなりたいんならもっと修行を続けるんじゃあ!わかったかぁ!?」
カイル「は・・・はい・・・(汗)」
カイルがそういって稽古部屋へ行こうとした時だった。
???「道場破りに来たぜぇ〜!!」
???「オラ達は容赦しないんだなぁ!」
ココ「あれは・・・コモド兄弟!!」
ギュスター「しつけえ奴じゃあ!あいつらぁさっきからワシの後を尾行してきおったんじゃけえな!」
マルクリウス「ほっほう来客か・・・相手にしてやろうじゃねえか!!」
ミリアン「私も行きますわ!」
カイル「僕も行きます!」
クランチ「どうするんだ?!」
ココ「黙って見てはいられないわ・・・」
ギュスター「カイルは後ろでワシらの戦いを見ていろ!武器を持った相手は危険じゃけえな!」
カイル「えっ・・・・・・」
コモド・ジョー「ほっほう・・・別嬪なワニの姉ちゃんまで俺に戦いを挑もうっていうんだな!」
コモド・モー「クズリのおっさん覚悟なんだなぁ!」
ミリアン「ジョーさん!私が女だろうと馬鹿にしてもらいたくないですわよ!」
マルクリウス「俺はおっさんじゃない!まあいい!お前らこそ覚悟しろ!」
ギュスター「ワシら竜牙泊の師匠の強さぁ!今に見せてやるけえなぁ!」
ココ「なんか凄い戦いになりそうだわ・・・」
アクアク「そうじゃのう・・・」
ランデュリウス「私はあの道場破りとの戦いを見ているとしよう・・・」
コモド・ジョー「ソォいやー!!」
ミリアン「甘いですわ!ていっ!」
コモド・ジョー「な、なに!?オレ様の剣をかわシィィたぁ!?ごふぁあ!」
ジョーはモロにミリアンの蹴りを喰らう。
コモド・モー「あ〜兄貴〜!喰らえ〜!!」
マルクリウス「甘いな!」
そういうとマルクリウスはモーが投げた剣を真剣白刃取りでキャッチし、投げ返した。
コモド・モー「うわ〜!危ない危ない!ついでにワニの姉ちゃんも喰らえ〜!」
ミリアン「マルクリウス師匠だけでなく私のほうにも投げてきたのですね!たぁー!!」
なんとミリアンがモーの投げた剣を足で蹴り返したのである。
クランチ「うわ・・・すげえ・・・投げた剣を足で蹴って跳ね返すなんて・・・」
コモド・ジョー「痛ててててて・・・姉ちゃんもなかなかやるじゃぁねえか!だが俺サァまの本気はここからだぜぇ〜!!」
ジョーがそう言うと剣を持った状態で回転し始めた。
ギュスター「何しとんなぁ?あいつは?」
コモド・ジョー「これが俺のひっサァつ技サァ〜!!」
そう、ジョーの得意とする回転斬りである。
ミリアン「そんな単純な技を私が受けると思っていますね!」
そう言うとミリアンは回転しながら滑り出し、ジョーの下っ腹に強烈な蹴りをかました。この技こそがツイストキックである。きりもみキックに似ているが異なる技である。
コモド・ジョー「シャあ〜あ〜あああああああ・・・あのワニの姉ちゃん・・・別嬪だった・・・な・・・ガクッ・・・」
ジョーはミリアンの強烈な回転蹴りを喰らい、その場に倒れこんだ。
コモド・モー「アニキィィィィィィィィィィ!!・・・」
モーは兄であるジョーに近寄り、落ち込むようにその場に座り込んだ。
ギュスター「さあ降参するなら今のうちじゃけえのう!大人しく降参しいやぁ!」
コモド・モー「アニキの仇なんだなぁ!!」
ミリアン「降参する気は無さそうですわね!」
コモド・モー「よくもアニキを!ゆるさないんだなぁ!」
モーが剣を滅茶苦茶に振り回しながらミリアンに近づく。
ミリアン「中々やりますわね!でも・・・ただ剣を振り回すだけでは私に攻撃は当てられませ・・・きゃっ!」
ミリアンの服の腹の部分と袖の部分が斬られる。
コモド・モー「止めなんだなぁ!」
カイル「ミリアンさんに止めは刺させませんよ!!たぁーっ!!」
なんとカイルがミリアンがやられそうな状況を見て立ち上がり、モーに向かっていったのである!
ギュスター「カイル!お前は見ていろと言ったはずじゃ!」
カイル「道場の仲間がやられるところを大人しく見てはいられません!」
カイルがそう言うとモーの背中に飛び蹴りをかました!
コモド・モー「うおぉっ!」
モーはカイルの飛び蹴りの一撃を受けて吹っ飛ばされるもすぐに立ち上がった。
カイル「ミリアンさん・・・大丈夫ですか?!」
ミリアン「大丈夫ですよ・・・服を斬られただけですし・・・」
コモド・モー「隙ありなんだなぁ〜!!・・・わああああああ!!」
そして剣を投げようとしたまさにその瞬間、剣は叩き落され、モー自身も鎖で縛られたのである。
ココ「あ、あれは?!」
クランチ「ル、ルージュ師匠!」
ルージュ「道場破り・・・」
コモド・モー「オラを離すんだなぁ!」
コモド・ジョー「今の・・・隙・・・シャぁああああああああ!!」
ジョーが最後の力を振り絞って立ち上がり、ルージュに向かっていった。
ルージュ「居合い抜き!!」
向かってくるジョーにルージュはすれ違い様に鞘から刀を素早く抜刀し、ジョーの剣を叩き落した。そして直後に納刀した。
コモド・ジョー「うおわああああ!!」
ジョーは再びその場に倒れこんだ。
ギュスター「なあ!?ワシらの強さぁ思い知ったかぁ?!」
コモド・ジョー「チキショォォ〜ウ!覚えてろぉぉぉぉぉ!!」
ジョーは鎖鎌の分銅の部分で縛られたモーを引っ張って逃げようとする。が、しかし・・・
コモド・ジョー「なんかぶつかった・・・」
ジョーが気付いて上を向くと・・・
ランデュリウス「逃げるのか?道場破り・・・」
コモド・ジョー「ぎゃあああああああああああああ!」
コモド・モー「うわあ!怖いんだなぁ!ワニのおじいさん!」
ランデュリウス「ジョー君にモー君・・・お前の戦いは私が後ろで見ていたぞ・・・まだ君の戦い方は未熟じゃ・・・出直してこい・・・」
コモド・ジョー「わ、分かりまシィた!ひぇぇえええええええええ!!」
コモド・モー「離してくれなんだなぁ・・・」
ランデュリウス「ルージュ・・・離してやるのだ・・・」
ルージュ「分かっ・・・た・・・」
そう言うとルージュはモーに絡めていた分銅を解いた。
コモド・ジョー「今度こそ覚えてろおぉぉぉ!!」
コモド兄弟は一目散で逃げた。
ミリアン「あのコモド兄弟も中々やりましたわね。ですが、あの実力だと私達には勝てないですわ・・・」
ギュスター「あんの野郎ぉ!逃げおったなぁ!ワシがしごーてやりたかったぁ!」
ココ「凄いわ・・・カイル君・・・怪力自慢のモーが暴れているのにそれを承知で立ち向かうなんて・・・」
マルクリウス「カイル・・・勇敢と無茶は違うぞ!気をつけろ!」
カイル「すいませんでした・・・マルクリウス師匠・・・」
シェンロン「また撮っちゃったネ!」
ギュスター「なに撮ったんじゃぁ!シェンロン師匠!」
シェンロン「それはヒ・ミ・ツ・なのネ!」
ココ「あの中国風の師匠・・・見るからにスケベよねえ・・・」
クランチ「そうだな・・・」
二人はシェンロン師匠を尾行してみた・・・
ココ「こ、これは!・・・」(コソコソ話程度)
クランチ「シェンロン師匠ってあんな趣味があったんだ・・・」(コソコソ話程度)
部屋に入ったシェンロンをこっそりと戸の隙間から除く二人であった。果たして二人が見た物とは!?
シェンロン「ルージュどんはやっぱり別嬪ネ・・・」
ココ「うげ〜趣味悪・・・」
クランチ「そうだな・・・」
二人はそう言うとシェンロンの部屋の廊下からこっそり抜け出した。
ギュスター「ミリアン?!大丈夫かぁ?!」
ミリアン「服を切られただけで体は切られてないですよ。」
マルクリウス「どうやら怪我はないようだな・・・」
〜竜牙泊の塀の外〜
ネオ・コルテックス「ほっほう・・・ココと前はワシの仲間だったクランチは竜牙泊という道場に行っていたのだな・・・おい、エヌ・ジン、そっちはどうだ?」
エヌ・ジン(無線)「宇宙船の修理をしています。コルテックスどの・・・装甲の損傷は激しいようで拙者が修理しています・・・」
ネオ・コルテックス「あの道場の師匠は凄まじく強いらしいな・・・先程コモド兄弟が一目散にあの道場から逃げていたぞ・・・」
〜竜牙泊〜
ココ「私は蹴り技の修行をするわ・・・」
ギュスター「ワシが教えてやるけん。こっちにくるんじゃぁ。」
ココ「分かりました・・・」
ココがギュスターの後をついて来ると沢山の的がある稽古部屋へ来た。
ギュスター「これを真っ二つに叩き割るんじゃ!」
ココ「もしかして踵落とし?!」
ギュスター「お前の言うとうりじゃぁ!」
ココ「分かりました!」
そう言うとココは踵落としで的を蹴り割った。
ギュスター「OKじゃぁ!」
ココ「てりゃぁー!!!」
重なった的を真っ二つに蹴り割るココ。
ギュスター「初めての割にはよくやるのう!だがこれからじゃ!」
そう言ってギュスターが持ち出したのは鉄枠で覆った少し大きめな的だった。
ココ「これを割るんですね・・・」
ギュスター「そうじゃぁ!だがこの的は踵落としでは割れへんのじゃ!そこで急降下きりもみキックで割るのじゃぁ!」
ココ「はい!分かりました!」
高く飛び上がって回転し急降下きりもみキックをしようとするが失敗する。
ギュスター「力を入れすぎなのじゃぁ!」
ココ「はい・・・」
再び急降下きりもみキックをやるも鉄枠の的は少しへこんだ程度で再び失敗する。
ギュスター「今度は入れなさすぎじゃぁ!入れすぎず、入れなさすぎずでやるのじゃぁ!」
ココ「分かりましたっ!」
再度、高く飛び上がり、回転しながら急降下きりもみキックを鉄枠の的に当てるとやっとの事で割れた。
ココ「やったぁ!」
ギュスター「それでOKじゃぁ!茶の間に戻るけん。」
ココはギュスターと共に茶の間へ戻った。
ギュスター「ワシが教えたかったのはきりもみキックじゃぁ。こんなに早くきりもみキックを習得するとは予想外じゃけぇのう・・・」
ランデュリウス「彼に実力があるというのは証明済みじゃ。修行すればさらに強くなるだろう・・・」
シュード「これを見てもらうよ・・・」
そう言うと彼が茶の間の戸棚から取り出したのはビデオカメラだった。そしてそのテレビカメラをテレビに接続する。
クランチ「一体なんだ?」
ココ「あ、映ったわ。こ、これは・・・」
テレビに映ったのは竜牙泊の師匠と戦う死神の騎士の映像だった。
シュード「そう、死神の騎士のデータ映像・・・かつて弟子だった『ブライト』が撮ったものだよ。」
ココ「あ、あれって・・・」
まず、最初に映ったのはシュードと戦うタイラントの映像だった。
シュード「彼はタイラント・ゲッコー、本名はタイラント・トッケイゲッコー。かなり好戦的な性格でね・・・光波バリヤーという物を張り巡らせる・・・どうやって張り巡らせているかは不明だが・・・念力を利用していると考えられる・・・」
次に映ったのはミリアンと戦う謎の者の映像だった。
ココ「誰?・・・」
ミリアン「彼は『ナイル・ラティアン』ですよ。」
シュード「ナイル・ラティアン、力の四人衆の一人だ。部下は、メリケンやナイフ等の武器で武装している者がいる。特徴的なのはほかの三人に比べてほっそりとした体つきだ。ミリアンが言うには水泳が趣味のようだね。」
次に映ったのは片手をサーベルに変えてマルクリウスと戦う者の映像だった。
ココ「あれは私が倒したわ・・・」
シュード「『メルテンス・ゲルザー』、片手をパタというサーベルに変えて戦い、そのサーベルからは光線を発射することも可能でマルクリウス師匠もこの光線でつけられた大きな傷跡が背中にあるんだ。」
その映像の中にはメルテンスがマルクリウスの背中に光線を直撃させる映像もあった。
マルクリウス「最終的に俺が敗走させたけどな。だがやつが戦闘を放棄して逃げようとしたんでやつももう懲りたかと思い、帰ろうと背を向けた瞬間、いきなり光線を撃ちやがった。その傷がこれだ。」
マルクリウスが服を捲ると背中には大きな傷跡があった。
ココ「すごい傷だわ・・・」
クランチ「うわ・・・すげえ・・・相当な痛さだっただろ・・・」
マルクリウス「痛いで済む事じゃねえ。当時俺はすでに師匠クラスだったがそれでものた打ち回るほどの激痛だったぞ。長老はあんな光線きかねえけどなぁ。」
シュード「本当はまだ説明があるのだがあまりにも多すぎるのでまた今度・・・」
シュードがそう言うとテレビの電源を消し、テレビカメラも棚にしまった。

〜タスマニアの町〜
サルバトール「タイラント殿・・・やっぱり公開死刑にはせずに近くの丘でやりましょうよ。」
タイラント「お前の言うとおりだ!お前ら!公開死刑は取り止めだ!あの丘でクラッシュを処刑するぞ!」
部下「了解!」
クラッシュ「何をするつもりだ?!」
デュメリル「お前の公開死刑は取りやめになった!が、あの丘で貴様を処刑するんだよ!!」
タイラント「今日がお前の命日だ!覚悟しろ!」
クラッシュが部下に抱えられて丘へ連れて行かれる。
〜タスマニアの町の近くにある丘〜
部下「つきましたぜ。タイラント様・・・」
タイラント「よし十字架に磔にしろ!」
部下「了解しやした!」
クラッシュ「一体何をするんだ!」
タイラント「お前を今から処刑するんだよ!だがお前が暴れると大変なんで十字架に磔にするんだよ!よし、丘に固定しろ!」
クラッシュは十字架に磔にされ、丘に固定させられた。

〜竜牙泊〜
ミリアン「あっ、私の友達から電話です。ちょっと待っていてくださいね。」
ココ「一体どんな友達なんでしょうね・・・」
ミリアンの友達(電話からの声)「おおミリアンか?大変だぜ・・・クラッシュが・・・処刑されそうだ・・・先程俺も奴らに気付かれて逃げてきたんだ。いま丘の陰にいるぜ。」
ミリアン「ええっ!?クラッシュさんが処刑されそうですって?!大変ですわ!」
ココ「うそ?!お兄ちゃんが処刑されそうなの?!」
ミリアン「彼が言うには本当みたいですよ!」
クランチ「それなら早く助けに行こうぜ!」
マルクリウス「気をつけろよ・・・」
そう言うとココ、クランチ、ミリアンは道場から出て全力で丘に向かって走っていった。アクアクも三人を尾行する。
ココ「大変だわ・・・早く行かなきゃお兄ちゃんが・・・あっプーラ!私を乗せて!ごめん!私先に行くわ!」
プーラ「いいよ!ボクに乗って!」
クランチ「俺は後から行く!気をつけろよ!」
ミリアン「私もクランチさんと考えです!気をつけてくださいよ!」
ココはプーラに乗って先に丘へ行った。

〜タスマニアの町の近くの丘〜
その頃・・・クラッシュの処刑は徐々に実行へ移されていた・・・
タイラント「我らが死神の騎士団は現在町で侵略活動を行っている!お前がいない今、我らを止めることは不可能だ!わっはっはっはっはっ!!」
クラッシュ「くっそう・・・」
タイラント「さあクラッシュを八つ裂きにしろ!バラバラにしてしまえ!」
その一方でココを背中に乗せたプーラは全力で走ったため、目的地に早く到着し、森に隠れていた。
ココ「ありがとうプーラ!あなたは隠れてなさい。」
プーラ「うん!ボクは隠れているよ!」
そこへ歩いてくるタイラントの部下・・・
部下A「処刑はデュメリル様かクラージ様が行うらしいぜ。」
部下B「で、どっちが行うんだろうな・・・」
ココ「大変だわ・・・早く助けなきゃ・・・」
丘の陰の森に隠れていたココ。
タイラント「ギリー!周りを見て来い!」
ギリー「・・・分かったぜ・・・」

ココ「やば・・・この前のだ・・・」
すぐさま森の奥へ隠れるココ。が、しかし、すでに敵に見つかっていた・・・
クラップゲイル「ヘッヘッヘッヘッヘ・・・すでにお前の居場所は分かっているぜ!そこの姉ちゃん!」
人型の影がココの後ろの木に立っていた。
ココ「え!・・・」
クラップゲイル「いたぜ!侵入者だ!奴を捕まえろ!」
部下達「了解しやした!」
ココ「こうなったら戦うしかないわね・・・」
周りを囲んだ死神の騎士の部下を足払いで次々になぎ払うココ。
タイラント「な、何?!あんの野郎ぉ!ここまできやがったか!仕方ねえ!デュメリル!サルバトール!ギリー!やっちまいな!」
デュメリル「OK!戦闘もお手の物さ!」
サルバトール「了解!」
ギリー「おっ!侵入者か?!ってこの前俺がボコボコにした奴じゃねえか!!よし!もういちどボコボコにしてやる!」
ココはあっという間に三人に囲まれる。
ココ「カラテキーック!!」
デュメリル「おっと!あぶねえ!」
カラテキックは斧でガードされ、振り下ろされる斧を回避する。
ギリー「次は俺の番だぜ!ドロップキーック!」
ココ「そんな物に当たると思う?!」
あっさりと回避するココ。
クラップゲイル「背後ががら空きだぜ!」
ココ「えっ!?」
ココが姿を透明化したクラップゲイルに羽交い絞めにされる。
ギリー「このっ!このっ!」
ギリーのパンチやキックがココに炸裂する。
タイラント「どうだ!三人を相手に殴られる気分は!」
ココ「なによ!私はあなたなんかに負けな・・・うっ!」
サルバトールに蹴り飛ばされる。
クラージ「処刑ハ中止シタ方ガ良サソウダナ・・・」
タイラント「いや、俺はこの戦いを見ている・・・まあどっちにしろココもやられると思うがな!」
ギリー「ココを俺に投げろ!」
デュメリル「OK!よっと!うりゃあああ!!」
ココ「きゃあっ!!」
投げられたココにギリーの膝蹴りが直撃する。
ギリーの強烈な蹴りを腹に食らい、倒れこむココ!そこへ追い討ちをかけるようにサルバトールに胴上げされて投げ落とされる。
ココ「うううううう・・・私・・・ここで倒れるわけには・・・行かない・・・」
タイラント「よし!奴に止めを刺せ!」
クラッシュ「やめろ!オイラの妹に何するんだ!」
タイラント「黙ってろ!邪魔者は始末するんだよ!」
ギリー「止め!」
ココに向かって走り、飛び蹴りをかまそうとするギリー!このまま止めを刺されるかと思われたそのときであった!
クラッシュ「えっ!?」
ギリー「ぐほぉっ!」
ミリアン「助けに来ましたわ!」
クランチ「クラッシュ!今助けるからな!おらぁ!おらぁ!」
部下達「ぎゃあああああああああ!!」
次々に死神の騎士の部下を殴り飛ばすクランチ。
タイラント「ほっほう・・・可愛い姉ちゃんじゃねえか!!」
デュメリル「女だろうと容赦はしねえぞ!このっ!」
ミリアン「甘いですよ!」
デュメリルが振り下ろした斧をすかさずかわし、手を蹴って斧を叩き落すミリアン。
デュメリル「ぬおおっ!」
ギリー「隙有りだぜ!」
クランチ「お前こそ隙ありだ!」
ギリー「な、なにっ!?のわあっ!」
ミリアンに飛び蹴りをかまそうとするギリーだがクランチに掴まれ、投げられる。
サルバトール「さて、皆さんが戦っている間にココを処刑しましょうか!!」
ココ「そうは行かないわ!」
サルバトール「んああああ?!た、立ち上がった?!」
ココ「こんな所で倒れるわけには行かないわ!」
サルバトール「じゃあやってやろうじゃないですか!」
ココ「お兄ちゃんを処刑する分けにはいかないのよ!やあああああああ!!」
サルバトール「は、早い?!ぐほぉぉおおおおお!!」
ココの怒りのカラテキックの一撃によりダウンするサルバトール
デュメリル「意外に・・・強いな・・・姉ちゃん・・・俺の部下に・・・ならねえか・・・」
ミリアン「私があなたの部下になると思いますか?!あなた達の様なあくどい者達の集団には入りませんよ!」
デュメリル「ほっほう・・・俺の要求が嫌だって事か・・・だったら・・・死ねえっ!」
デュメリルが腰につけていたトマホークを投げつける。
ミリアン「攻めが甘いですね!武器だけに頼っているということは素手になると弱いということですよ!」
デュメリルが投げたトマホークを回避し、後ろに回りこんで蹴りをかますミリアン。
デュメリル「ぬおおおおおおお!!」
クランチ「次はお前だ!」
タイラント「よくも俺の部下を!」
ギリー「背後ががら空きだぜ!」
クランチ「・・・それはどうかな?!」
突然後ろ宙返りをし、そのままギリーに蹴りを入れるクランチ。
ギリー「ぐふっ!この野郎!」
蹴られて倒れこむギリーだが再び立ち上がり、ドロップキックのポーズに入る。
クランチ「馬鹿め!その技は俺には効かん!」
そう言うとクランチがドロップキックを噛まそうとするギリーだがクランチに足を掴まれ、今度は近くにあった建物の廃墟に叩きつけられる。
ギリー「ぐはぁああああああ!!」
とうとうギリーもダウンした。
クランチ「さて!残るはお前だけだ!」
タイラント「仕方あるめえ!勝負だ!」
そう言うとタイラントが背中から大剣を出した。
部下A「タイラント様!やっちまえ!」
タイラント「お前達は黙ってろ!」
クランチ「うおっ!あぶねえ!おっと!」
タイラントの圧倒的な強さに押されるクランチ。すでに腹を少し切られている。
タイラント「どうした?!先程の態度はどこにいったんだ?!」
クランチ「くっそう・・・奴が・・・強すぎる・・・」
タイラント「クラッシュの前にお前を八つ裂きにしてやろうか?!」
と、その時だった!
ガシャンという音と共にクラッシュが貼り付けにされた十字架の部分が切断され、クラッシュがいなくなっていたのである。
デュメリル「へ?!」
ギリー「な、何てことだ・・・ぐはっ・・・」
ライア「ギリー様ぁ!大丈夫ですかぁ?!」
クラップゲイル「ど、どどどどどどどういうことだ?!」
だがココには見えていた。
タイラント「しまった!逃げられた!」
ココ「あれは・・・」
クランチ「ルージュ師匠!?」
クランチとココが見たのはクラッシュを背負って丘から飛び降りるルージュだった!一方タイラントは無線をポケットから出してなにやら話しだした。
タイラント「こちら、タイラント。クラッシュが逃げ、いや強奪された!強奪した奴は丘の下に飛び降りた!丘の下で・・・ぐわあっ!」
無線で丘の下の部下に指令を送るタイラントにココとミリアンのキックが炸裂する。
〜丘の下の屋敷〜
部下C「タイラント様?!一体どうしたんですか?!」
部下D「とにかく大変なことになってるのは間違いないようだぜ。クラッシュが逃げたとか・・・おっ・・・誰か丘の上から飛び降りてくるぞ?」
そう、丘から飛び降りているのはルージュである。彼らの種族特有の皮膜を使って滑空している。
部下C「どうやら待ち伏せしていろと言いたかったようでしたね!」
部下D「攻撃開始!」
ルージュに銃を撃ちまくる部下達。
ルージュ「・・・」
軽く敵の銃弾をかわすルージュ。そして手裏剣を投げて反撃する。
部下C「のおっ!」
部下D「ぐわっ!」
手裏剣はすべて的確に当たり、倒れる死神の騎士の部下達。

〜タスマニアの町の近くの丘〜
タイラント「くっ!よくも俺の顔に傷をつけてくれたな!」
ココとミリアンに蹴りを喰らわせる。
ミリアン「その蹴りは弱いですよ!」
蹴り飛ばされても余裕で起き上がるミリアン。
タイラント「おっと!こいつがどうなってもいいのか?!」
倒れたココを人質にとり、首に剣を突き立てるタイラント。
と、その時!タイラントの手から大剣が弾き飛ばされた。
ココ「・・・!?」
タイラント「誰だ?!」
コモド・ジョー「ショォォ〜ブだぁ!タイラントぉ!」
コモド・モー「勝負なんだなぁ!」
そう、コモド兄弟である!
タイラント「お前らはコモド兄弟!相手にしてやらぁ!」
タイラントがジョーに斬りかかる。
コモド・ジョー「おっと!あぶねぇ!」
コモド・モー「アニキ!援護するんだなぁ!」
コモド・ジョー「モー!お前は見ていろ!」
そのまま激しいチャンバラが続き、クランチ、ココ、プーラ、ミリアンは介入できず、見ているだけである。
チャンバラから一騎打ちの戦いになり、二人はお互いに向かい合いになる。
そして、二人とも素早く鞘から剣を抜き、どちらかが剣の一撃をあてた・・・

タイラント「・・・・・」
コモド・ジョー「・・・・ヘッ・・・」
タイラント「・・・・ごはぁっ!」
ジョーが剣をしまうと同時にタイラントが吐血する。
デュメリル「タイラント様!」
タイラント「・・・何故だ・・・何故俺が・・・負けた・・・」
部下A「タイラント様・・・私が背負うので輸送船へ・・・」
タイラント「オレは大丈夫だ・・・ぐはぁっ!」
再び吐血する。
デュメリル「畜生!覚えてろ!」
そう言うと死神の騎士達は輸送船へ戻り、退却した。
ココ「私達も・・・帰りましょう・・・」
クランチ「大丈夫か?・・・俺も腹を少し切られたが・・・」
ココとクランチが話していると丘の陰から誰かが出てくる。
???「いやいや!凄い戦いだったぜ!」
ココ「彼は誰?」
???「俺の名前は『ジェス・ジャイアントゲッコウ』だぜ。宜しくな。
ミリアン「彼は私の友達ですの。」
先程ミリアンに電話したのが彼である。
ココ「へえ〜さっき電話をしたのはあなただという事ね?」
ジェス「ああそうさ。後、俺は帰るぜ。じゃあな。」
ココ「バイバーイ!」
三人は道場に戻り、ジェスは三人とは逆の方向に行った。
〜竜牙泊〜
アクアク「いやはや!凄い戦いだったぞよ!」
ココ「あの死神の騎士達も強かったわ・・・あ、傷大丈夫?」
クランチ「傷はシュード師匠に処置してもらった。後は出血が止まるといいんだが・・・痛ててててて・・・」
修行に使う道具を運ぶクランチだが最中に傷が痛み出す。
ココ「無理は禁物よ・・・ゆっくり休んでたほうがいいわ・・・」
ミリアン「ルージュ師匠の帰りが遅いですね・・・」
ちょうどそこへ帰ってくるルージュ師匠。
ルージュ「・・・ただい・・・ま・・・」
ミリアン「おかえりですわ!」
ココ「師匠おかえり!」
クランチ「おかえりだぜ!」
ルージュが担いでいたクラッシュをゆっくりと茶の間の床に置く。
ココ「お兄ちゃん!」
クラッシュ「ココ!」
ココは嬉しさのあまり、クラッシュに抱きつく。
クラッシュ「コ、ココ!うわ!苦しい!」
クランチ「うぉおおおおおお!クラッシュ!生きてたのか!」
ココ「ルージュ師匠!あなたには感謝しています!私の兄を助けてくれて本当にありがとうございます!」
ルージュ「・・・・・・」
ルージュ師匠は無言のままだったが笑顔でうなずいた。
だがふとココが目を離すとクラッシュはルージュ師匠に話しかけていた。
クラッシュ「いや〜お姉さん。このオイラを助けてくれてありがとうございます。それにしても別嬪ですね〜。」
ルージュ「・・・・(困)」
クランチ「おいクラッシュ、お前もこの道場に・・・っておい!」
クラッシュ「いや〜ほんとにあなたを見ていると見惚れちゃいますよ。」
ルージュ「いい加減に・・・しろ・・・(怒)」
ココ「お兄ちゃん!・・・(怒)」
クラッシュ「それでお色気があり・・・痛っ!」
ココがクラッシュにゲンコツとチョップを喰らわせる。
ココ「もーっ!お兄ちゃんたら!恥ずかしいわよ!って鼻の下伸びてる・・・」
クラッシュ「ハァ・・・オイラを助けてくれたあのお姉さんは本当に美人だなぁ・・・あの髪型に体型・・・見惚れちゃったなぁ・・・」
ココ「もう一発ゲンコツ喰らいたい?(笑いながら怒り」
ルージュ「・・・・(呆きれる」
ミリアン「クラッシュさんってカワイコちゃんが好きみたいですね・・・」
ココ「すいませんね・・・お兄ちゃんはそういうのが好きなんですよ・・・」
ミリアン「というと・・・もしかして女性を相手に戦った事がないと・・・」
ココ「そうですね!アハハハハハ・・・って笑い事じゃないです!」
ミリアン「あはははははははは!!」
ルージュ「そういう・・・こと・・・だったの・・・か・・・」
丁度そこへ来る長老。
ランデュリウス「おお・・・帰ってきたか・・・ん?君はクラッシュ君だな?」
クラッシュ「はい・・・オイラがクラッシュです・・・」
ランデュリウス「これはこれは!君も弟子入りせんか?」
クラッシュ「はい!オイラも弟子入りします!もっと強くなりたいんです!」
ランデュリウス「そうか・・・では君を弟子入りさせるとしよう・・・」
クラッシュ「ありがとうございます!」
こうしてクラッシュもこの道場に通うこととなった・・・

〜〜〜完〜〜〜〜

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