証拠


ボワボワ作業員さん作

第二話

5月26日、クラッシュの家
クラッシュ「たっだいま〜」
(ん?メモがある・・・・)
そのメモにはこう記されていた・・・・・・・
「ココより、私の事務所にただちに来て!新たな事件よ!!」
クラッシュはメモをポケットに突っ込んで、事務所へと急いだ・・・


同日、ココの探偵事務所

クラッシュ「来たぞ〜」
ココ「あ、お兄ちゃん!」
ココは社長が座るような椅子から飛び上がった。
クラッシュ「で、次の事件は?」
ココ「・・・・・郊外のアパートで・・・密室殺人よ・・・」
クラッシュ「え!?」
ココ「住所を今から言うから・・・現場検証しなくちゃね☆」
クラッシュ「あ、ああ」
ココ「バッチ!」
クラッシュ「忘れてた!」
ココ「・・・・。」

同日、犯行現場

クラッシュ(ん?ここの窓・・・数センチの穴が開いてる・・・)
警部「クラッシュ君、何か分かったか?」
クラッシュ「いえ、まだです。」
警部「そうか」
クラッシュ「あの、発見時の詳しい事を教えていただけませんか?」
警部「あぁ、そうだな。発見時、ダイイングメッセージがあったんだ」
クラッシュ「写真か、何か残されてません?」
警部「これだ」
警部はクラッシュに写真を見せた。
クラッシュ「+ナノレキキ・・・・」
警部「プラスなのれきき・・・」
クラッシュ「容疑者に会わせてもらえませんか?」
警部「いいだろう。署まで来てくれ」
クラッシュは警部の後をついて行った。
しかしあの穴は人の手は絶対に入らないし、ドアにも離れていて届かないし、道具はあんな高さまで運べないだろう、と考えながら。


同日、署

クラッシュは容疑者一人一人と話すことを許され、拷問部屋に通された。

クラッシュと一人目の容疑者は鉄の机を挟んで座った。
クラッシュ「まずお名前を・・・」
兼「五十嵐 兼です」
クラッシュ「兼さんは第一発見者なわけですよね?」
兼「はい」
クラッシュ「発見時の様子を教えていただけますか?」
兼「俺が行った時には・・・そうだな・・・いつだったか忘れたが、淳はもう死んでた・・・」
クラッシュ「淳?」
兼「被害者の名前です。親友でしたから」
クラッシュ「密室にどうやって入ったのですか?」
兼「密室!?鍵は開いてたぞ」
クラッシュ(・・・おかしいな・・・事件時現場は密室だったはず・・・・・アパートの住民も鍵を掛ける音をしっかりと聞いてるしな・・・・矛盾してるぞ・・・)
兼「?」
クラッシュ「わかりました。あなたに聞くことは以上です」
兼は警部に連れられ、待機室に入れられた。

5分後、拷問部屋

さっきと同じく二人目の容疑者とクラッシュは鉄の机を挟んで座った。
クラッシュ「お名前を」
弘一「高倉 弘一です」
クラッシュ「弘一さん、証言を開始してください」
弘一「はい。そうですね・・・僕が行った午後9時は淳さんまだ生きてましたよ・・・」
クラッシュ(ん?・・・・警察の死亡推定時刻は7時30分から8時と言ったいたハズ・・・・矛盾・・・・・)
弘一「どうなさったんで?」
クラッシュ「いいえ。もう聞くことは聞きました。」
警部が弘一を待機室に連れて行った。
クラッシュ「警部」
警部「何だ?」
クラッシュ「弘一さん、何か飼ってましたっけ?」
警部「は?あ、あぁ、猿を飼っていたな・・・」
クラッシュ(≪+ナノレキキ≫というのは明らかにサルキキと読むものだと思うが・・・・・・去る危機なのか??まだリサーチが必要だな・・・・・)
警部「何か分かったか?」
クラッシュ「いえまだです・・・三人目の容疑者を連れてきてください」
警部「おぉ」

4分後、拷問室

警部「今度の容疑者は被害者に浮気され、2週間前に別れてる」
クラッシュ「じゃ、動機は十分あるな」
由里「ねぇ、早く始めてください」
クラッシュ「お名前を」
由里「崎原 由里です」
クラッシュ「いつ頃淳さんの家に行きましたか?」
由里「いつ頃行ったかは覚えてませんけどいつまでいたかなら・・」
クラッシュ「いつまでですか?」
由里「7時、そうね、7時くらいまで・・・・です」
クラッシュ「警部?」
クラッシュが囁くように警部を呼んだ。
警部「何だ」
クラッシュ「容疑者皆日本人じゃないですか・・・」
警部「近頃日本学校に来る人が多くなってな・・・」
クラッシュ(事件と関係なさそうだ・・・)
クラッシュ「もう、いいですよ・・・」
由里「どうも♪」
彼女は待機室に入った。
これらの証言と証拠をもとに推理すると・・・・・・皆は分かった?
オイラは分かったよ・・・・犯人とその手口が・・・・・・・・・・


同日、待機室

クラッシュは静かに入った。
クラッシュ「分かりましたよ、誰が犯人か・・・・」
兼、弘一、由里「えぇ!?」
クラッシュ「・・・・・犯人は・・・」
警部「ゴクリ・・・」
クラッシュ「弘一さん!あなたです!!」
弘一「お、おい、証拠を見せろ!証拠を!!」
クラッシュ「まず7時30分から8時の間に死んだと言われている被害者に何故9時に会いにいけるのですか?」
弘一「そ、そんなのただの証言のミスだ!!」
クラッシュ「弘一さん、猿飼ってますよね」
弘一「だから何だ!!」
クラッシュ「何をおっしゃるのですか・・・重要な犯行道具ではありませんか」
兼、由里、警部「!?」
クラッシュ「警部、覚えてます?あの窓の数センチの穴・・・」
警部「!!」
クラッシュ「猿ならあの高さまでパイプを伝って行けますよ」
弘一「どうしてそれが確信できるんだ!!」
クラッシュ「ダイイングメッセージですよ・・・・サルキキ・・・・・去る危機とも解釈できますがキキと鳴く猿が来たとも解釈できるわけです・・・」
由里「!!!」
弘一「・・・・」
クラッシュ「そしてその猿に鍵を開けさせ・・・中に入って殺害したんです!!」
警部「!!」
クラッシュ「ですから兼さんが行った時はもう開いていたのです!」
弘一「・・・・」
クラッシュ「これはあなたのアリバイ、証言、証拠消しが下手だったからでしょう・・・」
弘一「クッソー!!!!貴様さえいなければ!!!うまくいくはずだったのに!!」
クラッシュ「警部」
警部「ああ」
警部は仲間の刑事と一緒に弘一を連行した。
クラッシュ「兼さん、由里さん・・・ご迷惑をおかけしました」
由里「しかしスゴイ推理力ね!」
クラッシュ「あ、事務所に戻らなくては。じゃ!」
第二話 完結
第三話へと繋がる

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