記憶を司るパワーストーン


アタックスピンさん作

第3章〜記憶石の異変〜

カリーとディールは、クラッシュ達が見つけた瑠璃色の石をじっと見つめていた。
ココ「あの・・・なんですか?」
クラッシュ「え、なになに?なんかわかったのか?」
ディール「やっぱりな・・。この石は『記憶を司るパワーストーン』だ。通称、記憶石。」
アクアク「あぁ、そうじゃったか。思い出したわい。」
クラッシュ「でも、何で瑠璃色なんだ?おいらはピンク色ぐらいしか見たことないけど。」
カリー「パワーストーンがすべてピンク色なんて限らないわよ。」
クランチ「で、その記憶石はどんなやつなんだ?」
みんなは興味津々(きょうみしんしん)だった。
ディール「記憶石はみんなが言ってる通り、きれいな瑠璃色をしている。それにパワーストーンの一種だ。
つまりこの記憶石はパワーストーンと同じぐらい貴重なものであり、大きな力がある。」
カリー「記憶石の力は、その名の通り記憶を守ったり戻したりと、記憶に関する物事の中心となる石なのよ。だからとても大切なの。」
クラッシュはちょっと後悔していた。
クラッシュ「オ、オイラこんな大切なものかと思ってなくて、持って帰って来ちゃったけど・・・。」
カリー「別に、故意に持ってこようと思ったわけじゃないんでしょ。なら大丈夫よ(信用できるやつかも)。でも、問題があるの。」
ココ「それって、たとえば?」
ディール「例えば、記憶石を故意に持って行って悪用しようとしたり、記憶石を壊してしまおうと考えている悪者がいるんだよ。
それを防ぐためにきたんだ。」
カリー「私たちは冒険者であり、記憶石を守るものであり、世界を救うためにここに来たの。どこから来たかは・・・・まだ教えられないわ。」
ココ「それは何で?」
ディール「教えてはいけない規則なんだよ、俺達の。」
みんな「ふーん」
3人はまだ頭の中がモヤモヤしていた。
アクアク「で、その悪者から記憶石を守るためにお主たちが来た、というわけじゃな?」
ディール「まぁ、そういうやつだな。」
クランチ「で、その悪者の名前は・・・・?まさかコルテックスじゃないよな?」
カリー「コルテックスって誰?まぁ、コルテックスっていう名前じゃないわ。ただ、名前はまだ不明なの。」
ココ「そう・・。じゃあ、私たちも協力するわよ。」
ディール「え、本当に?」
クラッシュ「オイラも!」
クランチ「俺も!」
カリー「みんな。ありがとう。じゃあ明日から行動開始よ。」
その日の夜・・・・。
謎の人物が別世界からクラッシュ達を見ていた。
*「記憶石を『クラッシュ・バンディクー』とやらが見つけたのか・・・。それを守ろうとあの2人が動いたわけだな。」
不気味な光「・・・・・・・・・・・」
*「記憶石を手に入れたいとこだが、さすがに今から盗んでも面白くはない。」
不気味な光「・・・・・・・・・・・」
*「とりあえず、この光の邪(よこしま)なる力で記憶石を少しずつ蝕んで(むしばんで)いくか・・・。」
そして謎の人物は、その不気味な光に呪文のようなものをかけた。
すると、その不気味な光から小さな赤い光が出てきた。
そしてその赤い光は、クラッシュ達の世界へと渡り、記憶石の中に入っていった。
記憶石の光が一瞬だけ衰えたが、次の瞬間には元に戻っていった。
しかし、そのときに記憶石からわずかに出された赤く不気味な光が、ある2人の人物へと入っていった・・・・・・。
その次の日・・・・
クラッシュ達は朝早く起き上った。
クラッシュ「ふぁ・・・おばよう。」
クランチ「かんでるぞ・・・。」
ディール「みんな起きたか?」
みんなはキョロキョロ周りを見渡した。
すると、あることに気がついた。
クラッシュ「あれ・・・?ココがいないぞ。」
アクアク「そういえばそうじゃな。クラッシュ、様子を見てきてくれんかのう。」
クラッシュはココの様子を見にココの部屋に行った。
しかし、ココはまだ寝ているようだった。
クラッシュ「おーい、ココ。起きてるか?」
そう言ってクラッシュはココを起こした。
ココ「う・・ん・・・・?」
クラッシュ「ココ、起きてよー、朝だよー!今日からディール達と協力するって言ったじゃないかー!」
しかし、ココはボーーーっとしていた。
ココ「え・・・?」
クラッシュ「だからー、今日から記憶石を守る協力をするから早く起きようって話だよ!まさか忘れたなんて言うなよー!」
ココ「何の・・こと?」
クラッシュ「へ・・・?」
ココ「『ココ』って、誰のことですか?」
クラッシュ「え・・・・。もしかしてココ・・。」
ココ「私の名前・・・なんですか、『ココ』って?」
クラッシュ「そうだけど・・・。もしかして何も覚えてないの?」
ココ「はい。」
クラッシュは、状況把握が一瞬できなかった。
・・・・ということはココは寝ている間に、記憶喪失してしまったんだろうか。でもいったいなぜ?
とりあえずアクアク達に知らせるため、急いでみんなが集まっているところへ行った。
クラッシュ「おーい!アクアクー!みんなー!大変なんだよーーー!」
アクアク「何があったんじゃ?」
クラッシュは、ココの部屋に行って起きていた出来事をみんなに話した。
クランチ「な、ななな、なんだってーーーー?!」
アクアク「なんということじゃ・・。いったいどうして・・。」
クラッシュ「それが、オイラにもわからないんだよ。」
ディール「じゃあ、なんでなんだろうな・・・。」
ココ「な、なに・・・・?」
みんな「ココ!!」
ココ「あの、皆さんは誰なんでしょうか・・・?」
アクアク「(本当に記憶がないようじゃな)自己紹介をしよう。わしはアクアクじゃ。」
クランチ「(とりあえず、記憶戻してくれるまで頑張るか)俺はクランチっていうんだ。」
みんなは一人一人自己紹介をしていった。
そのうちに、カリーの頭にある考えがよぎった。
カリー「もしかしたら記憶石に何かあったのかしら?」
みんな「え・・・・・?」
カリー「記憶石を持ってきてみて、早く!」
10分後・・・・。
クラッシュ「あ、あったァァァァ!!」
クラッシュは10分もかかって、やっと記憶石を持ってきた。
クラッシュの体に、ほこりがかぶっていた。
クランチ「うるさぁぁぁい!!それに、ほこりぐらいとりのぞけぇぇ!!」」
それ以外「(お前もうるさいだろ・・・・)」
気を取り直して、クラッシュはカリーに記憶石を渡した。
アクアク「それにしても、ほこりをかぶってきたということは・・おぬしさては、ほこりがかぶった棚の奥の方に隠したのか?」
クラッシュ「そのとうり・・・・・」
カリーは記憶石を手にとって、詳しく調べ始めた。
カリー「フムフム・・・・・あ!」
カリーは、記憶石の異変に気がついた。
クランチ「おい、なにかあったのか?」
カリー「記憶石の力が、少し操作されたみたい・・・。」
ディール「それは、どういうことなんだ?」
カリー「つまり、何者かによって記憶石の能力が一時的に操作され、逆の能力を使ってしまった、ということ。誰がやったかは、前言った悪者だろうけど。」
それを聞いて、ココ以外は納得した。
きっと夜中の間に記憶石が操作され、記憶石は逆の能力、つまり記憶を失わせる能力を使った。そして、その被害者がココだったというわけだった。
皆は、そう解釈した。
クラッシュ「でも、何でわかったんだ?」
カリー「記憶石の色の変化よ。微妙だけど、私にはわかるの。」
クラッシュ「オイラには、昨日と変わらないように見えるけどなぁ。」
ココ「えっと・・・・・・何の・・話でしたか?」
クラッシュ「(そういえば、記憶喪失したせいかすっかり性格というか口調というか・・ココのいろんなことが変わっちゃったな。何とかしないと・・・)」
アクアク「ココ、今のおぬしには難しいことじゃ。また後で詳しく教えてやるからのぉ。」
ココ「は、はい・・。」
そんなココの一方で、クラッシュ達の心は決まっていた。
記憶石を操作した悪者をできるだけ早く倒し、ココの記憶を取り戻さなければ・・・。
そうじゃないと(特にクラッシュとクランチとアクアクは)とてもモヤモヤするからだ。
でも、どうやって追い詰めればいいんだろうか・・・。
アクアク「その悪者を追い詰めたいとわしらは皆思っておる。そこで質問なんじゃが、どのようにして追い詰めればいいんじゃい?」
ディール「それは・・・・・・。」
ディールが方法を言おうとした丁度その時、玄関から音が聞こえた。
ゴンゴン  ゴンゴン
それは、玄関のドアをノックする音だった。
カリー「誰かしらね・・・。」
ディール「あいつじゃないことは確かだが。」
アクアク「何故、あいつじゃないことがわかるんじゃ?」
ディール「この世界・・・いや、この島にあいつは来れないんだよ。なぜか知らないけど。」
クランチ「どうでもいいからクラッシュ、行ってこい!!」
クラッシュ「ええーーー?!またオイラかよ・・・。」
クラッシュは渋々、玄関へ行った。
そして、そーっとドアを開けてみた。

=第4章に続く=

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