クラッシュバンディクー〜N・トロピーの反逆!


レッドゾーンさん作

第1話「反逆者の世界征服計画!」

とある日、どこかにあるコルテックス城にて・・・
この城ではいかにして世界征服を達成するかという会議を行っている。
だがどの計画も中々成功せずボスであるウカウカはイラついていた。
「さて、今日も世界征服会議だ。
今日こそは成功しそうなまともな意見を期待するぞ」
その言葉に真っ先に返事をしたのは平らな頭でちんちくりん体型のネオ・コルテックスだ。
「ですがウカウカ様…魔神を復活させても地球を縮めても奴の仲間を催眠術で操っても対抗してくるクラッシュをどうやって排除するのです?」
「五月蝿い!だからその方法を出し合っているんだろうが!!ゴタゴタ言ってないでさっさと案出せ!!」
と、そこで発言したのはIQ1061の天才博士N・トロピーだ。
「ウカウカ様。ナイスなアイディアがあります」
「ほう…どんなモノだ?」
「N・トランス?」
トロピーに呼ばれて来た者は卵みたいな体型をした催眠術師N・トランスである。
「やれ」
「分かったでランス」
トランスの行動を見たウカウカは…
「待て、貴様何をする気だ!?」
コルテックスも…
「おい!やめろ!トロピー!トランス!!」
だがその行動を止めようとはしない。
「もう遅いでランス。世界はトロピー様の物でランス!!」
「うわあああああああああああああああああ!!!!!」

翌日、タスマニア島…
この家に住んでいるクラッシュ・バンディクーはコルテックスの世界征服計画から何度も世界を救った英雄…とはとても思えない間抜けな奴である。
同じくこの家に住んでいるクラッシュの妹、ココ・バンディクーはクラッシュとは正反対の天才。
そしてもう一人住んでいるクランチは元々は敵だったが今は改心してクラッシュ達の頼もしい仲間となっている。
そしてこの3人は今から起こる事など知りもせずに呑気にTVを見ている。
記録的な猛暑により3人とも扇風機の前を離れようとしない。
だが電話が鳴っている。
電話は2階にある。つまり電話に出ようとすればエアコンも扇風機も無い部屋に行く破目にになる。
「なあココ、電話に出てくれ〜」
「嫌よ、お兄ちゃんが出れば?」
「オイラも嫌だ、じゃあクランチ頼む」
「断る」
事態は全く進展しない。
仕方なくジャンケンで決める事にした。
で、結果負けたクラッシュが蒸し風呂状態の部屋に電話を取りに行った。
そしてこの偶然がクラッシュを救う結果となった。
テレビを見てるココとクランチは…
「ん?あれ?どこの局も同じ番組なのか?」
「そんな筈無いわよ…誰かが電波をジャックしたのかしら…?」
そんな事を言っていると、テレビにN・トランスが映っていた。
「んなっ!?N・トランス!?」
2人とも仰天した。
急いでテレビから離れようとするが…
「動けない!」
『今テレビから離れようとした奴、無駄ランス!今お前らにそこから動けないようになるよう催眠術をかけた!
これからが本番でランス!』
「うわああああああああああああああ!?!?」
ーその頃クラッシュー
クラッシュは嫌々部屋に行き電話を取った。
「はいもしもし〜クラッシュで〜す…」
やる気の無い声で応対するクラッシュ。
『クラッシュ!良く聞け!ワシじゃ!』
電話の相手は島の精霊であるアクアクだった。
「アクアク!?どうしたんだよ、そんなに慌てて…」
『どうしたもこうしたも無い!!ココとクランチに今すぐテレビを消すように言え!!』
「ん?テレビで何かあるのか?」
『今テレビで…』
『いたぞ!捕まえろ!!』
『しまった見つかった!!』
「どうしたんだアクアク!!」
『ゆっくり話している時間は無い!ロs…』
ツーッ、ツーッ、ツーッ…
電話は切れてしまった。
「ロシア…?何かあるのか?」
とりあえず電話の切れ方からして何かあったことは間違いない。
クラッシュは、ココとクランチにテレビを切るように伝えようと下に降りるが…
「ココ〜、クランチ〜、テレビを切れってアクアクg…」
ガシャン!
クラッシュがいい終わらないうちに突然クランチが殴りかかってきた。
「うわっ!?何するんだ…」
殴りかかったクランチの目がどこかおかしい…これは以前にも見たことがあるような…
「お前…まさか!?」
何かに気付いた様子のクラッシュ。直後ガラスを突き破って脱出した。
一目散に走り出すクラッシュ…
ヴィンヴィンヴィンヴィンヴィン…
何かを溜めるような音がする…
「げっ…」
ドゥシュゥゥゥゥゥゥン!!!!!!
「レールガンかよ…あんなの喰らったらタダじゃ済まねぇぞ…」
クラッシュは後ろを警戒しながら走り去った。

突如おかしくなったココとクランチに追われるクラッシュ。
必死に逃げていると…何かとぶつかった。
「いてて…何だ?ちゃぶ台が走ってる?」
「誰がちゃぶ台だっ!このアホバンディクー!!」
ぶつかった相手はコルテックスだった。
奇跡的にコイツも逃げることが出来たらしい。
「言ってる場合じゃない!逃げるぞちゃぶ台!」
「だからちゃぶ台言うな!!」
ヴィンヴィンヴィンヴィンヴィンヴィン…
どこかで聞こえたような音が…
ドゥシュゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!!
またレールガンだ!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
2人とも絶叫して再び逃げ出した。
クランチはM1エイブラムスで完全武装している。
ココは自慢の戦闘ヘリ「ココウイング」で追いかけてくる。
更にコルテックスを追いかけてきたエヌ・ジンとディンゴも合流した。
ディンゴは火炎放射気器をレールガンに持ち替えている。
どうやらコルテックスを追いかけながらクラッシュも狙っていたらしい。
エヌ・ジンなんかはメ○ルギアみたいな巨大ロボに乗っている。
勝ち目NEEEEEEEEEEEEEE!!
って訳でとにかく逃げる2人。
港まで来るとアクアクとウカウカが居た。
船を用意していた。
「早く乗れ!!」
2人とも急いで乗りこんだ。
TV放送をジャックして催眠術を罹ける…相当な無茶だ。
TVが普及しきってる現代に於いて催眠術に罹らなかった人間は殆どいないだろう。
正に多勢に無勢。
4対…1億以上。
クラッシュたちはどうするのか…

第1話 完

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