クラッシュバンディクー〜N・トロピーの反逆!


レッドゾーンさん作

第2話「戦争」

あの電波ジャック事件から1週間。
クラッシュとコルテックスは国際指名手配犯として追われている。
幸い、現在2人が潜伏しているロシア連邦は世界一面積の広い国だ。
人口密度も低いし隠れやすい。
だがそれでも白昼堂々表通りを歩く訳にはいかず、買い出しなどを行う時はコルテックスが夜にブラックマーケットまで行く。
何故コルテックスか?理由は簡単、懸賞金の差だ。
2人に掛けられた懸賞金は…
クラッシュ:3000$
コルテックス:1$
どんな人間だってより多く金の手に入る奴を狙うに決まっている。
最悪、コルテックスなら服装次第で白昼堂々と大通りを出歩けるかもしれない。

夜が来た。
2人が住んでいるのは町はずれのスラム街。
それでも屋根のある部屋くらいはあるし世界情勢を知るにはラジオで十分だ。
南半球に多い発展途上国では電波ジャックで催眠術に罹った者が少ない。
だが先進各国の催眠術に罹った者が次々に南側に移住している。
勿論、トロピーの仕業だ。
そして「移住者」はトロピーに従わない者を次々と殺し始める。
このままでは南と北の戦争が始まりかねない。
早期解決を目指したいが…クラッシュ達はまともな戦力を有していないというのが現実だ…どうすればいいか…
この近辺の少数民族の手を借りるか…
最悪はそうするしかないが催眠術を掛けられた仲間を元に戻すのが手っ取り早い。
「という訳で行き当たりばったりで行動するより何か策を練ってから行く方が良いと思うのだが…」
作戦会議が始まった。
何故かコルテックスの司会で。
「何故貴様が仕切っている」
ウカウカが不満を漏らした。
「ウカウカ、我がままを言っても仕方ないだろう、我慢しろ」
とりあえずアクアクがなだめて会議再開。
「思ったんだけどさ…敵側の奴ってみんな武装してるんだろ?だったらこっちも最低限の武装はしないと危ないんじゃないかな」
まさかのクラッシュのまともな意見。
「ふむ…それは一理あるな…」
コルテックスも納得する。
「じゃが…武器を見つけるにもどうすれば…」
今度はアクアクの意見だ。
「それも一理あるな…どうすれば…ん?この手があった!!」
コルテックスが何かを思いついたようだ。

ー数日後ー
クラッシュ一行はエジブトの戦場にいた。
予想より早く恐れていた事態…南北戦争が始まってしまった。
「なあコルテックス…こんなトコまで来てどうすんだ?」
顔を隠すためにバカでかいマントを羽織ったクラッシュが尋ねる。
「北側の正規軍兵士から武器を奪うんだ」
これまたマントを羽織ったコルテックスが答えた。
コルテックスによると南側の兵士は民兵と正規軍が協力して戦っているらしいが経済的に不利な南側は服装まで金を掛けられなかったらしい。
だからキチンとした軍服を着た兵士は100%北側の者らしい。
間違っても南側の兵士を襲わない様に、と言われたクラッシュは今、北側兵士の後ろに隠れている。
(さて…と…いつ飛び出すか…)
コルテックスが北側兵士を狙うのはれっきとした理由があった。
南側兵士の武器は殆どが粗悪なコピー銃らしい。
だからこそ高性能な正規品を使用する北側を狙うのだ。
「うおるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
威勢の良い声と共にクラッシュは北側兵士に脳天チョップを喰らわせた。
「が…っ…」
当たった場所が良かったのか兵士は気絶した。
「とりあえず武器は手に入ったな…コルテックスに合流するか」
銃を手に取ったのち、クラッシュは去って行った。

一方…コルテックスは―
「むぅ…此処まで来たは良いが…どうしたものか…」
此処の兵士は360℃に気を配っているため隙が無い。
そこで少し膠着した場所は動いた。
用心深い兵士が敵の不在を確認して、煙草を一本取り出した。
そして火を着け…
(よし!今だ!!)
勢いよく飛び出すコルテックス!!
しかし…!!
「動くな」
敵の所に辿りつく前に気付かれ、銃を向けられてしまった。
(アッ―!!)
大ピンチだ…どうする?

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