レースクイーンの恋〜あんなヒゲ親父、大っ嫌いっ!〜


風鈴かなでさん作

プロローグ

片手には何も入っていないコップ。
もう片方の手には、パソコンの画面を動かすマウス。
目の前には、大きなコンピューター。

「はあ‥‥私、こんなところでなにやってんだろ‥‥」

私、メグミは一週間前から"ここ"‥‥。
コルテックスの秘密基地でバイトととして来ている。
時給5000円、というかなりオイシイ仕事ではあるけれど、モンダイは‥‥。

「んメグゥミちゃあ〜〜ん!!」

「‥‥っ! 触るなっ!ヒゲ親父っ!」

私の身体に黄色い手が触れてくる。

その感覚が、私にはどうしても気持ち悪く感じてしまう。

そして‥‥

「せええぇえぇえやいっっ!!」

「ぬおおおおおおおんんんんっっ!!」

背負い投げ。

壁にクリーンヒット。

なんでだろう。

なんで私はコイツを見るたびに暴力を振るってしまうんだろう‥‥。

ただ気持ち悪いから? ‥‥それだけで、私はこんな力を?

私は、自分の気持ちが"まだ"よくわからないでいた。


そして、よりにも‥‥こんなことになるとは思わなかったの。




‥‥まさか、アイツに"恋"をするなんて、ねっ‥‥

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